完成した着物を見る京都伝統工芸大学校の生徒や教員ら(南丹市園部町・京都伝統工芸大学校)

完成した着物を見る京都伝統工芸大学校の生徒や教員ら(南丹市園部町・京都伝統工芸大学校)

 来年の東京五輪を見据えて世界各国を表現した着物をつくる全国プロジェクトに、京都府南丹市の京都伝統工芸大学校が参加し、学生や教員がセルビア共和国をイメージした振り袖を完成させた。京手描友禅の伝統技法を用いて同国の自然や建物などを描き、華やかな着物に仕上がった。

 プロジェクトは一般社団法人イマジンワンワールド(福岡県久留米市)が2014年から着物産業や地域活性化を目的に、全国の着物・帯制作者の協力を得て、世界213カ国の着物づくりを目指している。約170カ国の着物が完成し、国際文化の交流や各国との友好イベントなどで活用されている。
 同大学校では京手描友禅専攻の2、3年生9人が今年4月から制作に当たってきた。黄色を基調とした着物には、セルビアの教会や川、民族衣装の模様、紋章のほか、現地で生産されている除虫菊をあしらった。丹後ちりめんの生地や裏地には日本との友好の証しとして桜の花びらもしのばせた。
 担当した京都手描友禅協同組合副理事長の木戸源生さん(68)は「外国らしさを出しつつ、日本の着物に仕上げることを意識した」と説明し、2年の男性(20)は「曲線より直線を描くのが難しかったが、みんなで完成させた達成感がある。両国の友好につながったらうれしい」と話した。
 セルビアが出場する、熊本県で30日に開幕する女子ハンドボール世界選手権大会で初披露される。