食への思いを込めた作品を作った熊谷さん(城陽市市辺)

食への思いを込めた作品を作った熊谷さん(城陽市市辺)

約50種類の料理を粘土などで表現した熊谷さんの作品

約50種類の料理を粘土などで表現した熊谷さんの作品

 人間の体を守る免疫機能が体を攻撃してしまう自己免疫疾患の一つ、潰瘍性大腸炎を患う京都府城陽市の熊谷正代さん(58)=同市富野=が、自己免疫疾患の苦労や患者の心の内を表した芸術作品を募る民間のプロジェクトで、優秀賞に輝いた。さまざまな料理を緻密な粘土細工で表現し、熊谷さんは「食べたいという欲求は誰にでもある。そんな思いを作品にする楽しさを、同じ疾患の人たちに知ってほしい」と話す。

 潰瘍性大腸炎の診断を受けたのは10年前。指定難病で、辛い物やカフェインなどの刺激で頻繁に下痢や腹痛が起きるため、食べ物や飲み物には気を遣う。それでも、食への欲求は簡単には抑えられず、「調子の良い時に好物を食べ、おなかが痛くなっては後悔することを繰り返してきた」と振り返る。

 作品は、約50種類の料理をミニチュアにした樹脂粘土細工。おでんや寄せ鍋、そばなど身近な料理ばかりで「普段、自分が食べたいと思う物をそのまま表現した」。好物のパフェに、好きなチョコレートケーキやアイスクリームをトッピングするなど、率直な気持ちを表現している。

 ギョーザの皮に包まれた中身まで作り込んだり、米粒を一粒一粒成型したりと実物に忠実な再現にもこだわり、2カ月をかけて完成させた。

 潰瘍性大腸炎は完治が難しく、服薬で症状をコントロールしながらの生活が続く。作品作りをきっかけに、「病気の理解が少しでも広がれば」と願っている。

 プロジェクトは、医薬品開発販売の「アッヴィ」(東京)が主催し、81作品の応募があった。20日に東京で授賞式がある。