中元商品の特設売り場には、配送の日時指定中止を知らせる看板が設置されている(京都市下京区・京都高島屋)

中元商品の特設売り場には、配送の日時指定中止を知らせる看板が設置されている(京都市下京区・京都高島屋)

G20の交通規制を踏まえた企業の対応

G20の交通規制を踏まえた企業の対応

 今月28、29両日の20カ国・地域首脳会議(G20大阪サミット)に伴う大阪市中心部での空前の規模となる交通規制が、企業の物流や運輸を直撃する。影響は公共交通から百貨店、製造業に至るまで幅広く、京都や滋賀の企業も対応を急いでいる。そのしわ寄せは、市民生活にまで及びそうだ。

 「大阪府内での大規模な交通規制等の影響で、全国的な配達の遅延が予想されます」

 京都高島屋(京都市下京区)は、中元用の商品配達で、26日~7月3日の8日間は日時指定を受け付けないことを知らせる掲示を売り場に設置した。中元以外のギフトも、大阪府と兵庫県の一部地域への宅配は日時指定を中止する。広報担当者は「今はお中元の申し込みがピークを迎える時期。混乱のないよう周知したい」と説明する。大丸京都店(同区)やジェイアール京都伊勢丹(同区)も同様に対応している。

 サミットの前後を含む4日間(27~30日)は、阪神高速道路や大阪市中心部の一般道の一部で封鎖や通行規制が行われる。渋滞による混乱を回避するため、大阪府警は交通量を半減させる目標を掲げ、営業車両やマイカーの使用を控えるように呼び掛けている。

 京滋でスーパーを展開する平和堂(彦根市)は、サミット期間中に食品の仕入れ配送が遅れることを見込み、あらかじめ商品を多めに発注するよう各売り場に指示した。仕入れ業者には早めの納品を呼び掛け、品切れが起きないよう対策に腐心する。

 宅配大手の佐川急便(南区)は27~30日、大阪市内に送る宅配物の日時指定サービスと、低温で輸送する「クール便」の取り扱いを大阪府など1府3県で中止する計画だ。日本郵便も期間中、近畿地方を発着する郵便物やゆうパックの配達に1、2日程度の遅れが出るとの見込みを発表した。

 影響は製造業にも及ぶ。電子部品大手の村田製作所(長岡京市)は、物流の停滞に備え、海外に輸出する一部製品の出荷を前倒しする。京セラ(京都市伏見区)も「急ぎの製品は前もって出荷し、輸送ルートの振り替えも検討する」(広報室)という。

 関西各地の医療機関から1日数万点に及ぶ血液や尿などの検体を集めて検査するファルコバイオシステムズ(中京区)も、戒厳態勢が敷かれる大阪エリアでの集配業務を縮小する。

 バスやタクシーの運休も相次ぐ。京阪バス(南区)は、関西空港リムジンバスを27日に終日運休する。28~30日も部分運休し、京都市内は停留所を京都駅八条口のみに限定する。タクシー大手のエムケイ(同区)も、京都発の関空、大阪(伊丹)空港行き乗り合いタクシーについて、27~30日の全面運休を決めた。

 また、6月下旬の平日は例年、企業の株主総会が集中する。大阪に本社を置くパナソニックが27日に開く総会会場を神戸市内に移すなど、混乱回避のため大阪府内の会場やサミット前後の開催を避ける動きも広がっている。