2021年の京都のホテルの客室数と必要客室数

2021年の京都のホテルの客室数と必要客室数

 不動産サービス大手CBRE(東京)がまとめた京都を含む国内主要9都市の2021年のホテル市場展望によると、宿泊需要の予測に基づく必要な客室数と、既存と開業予定を合わせた供給見込み客室数を比較した需給バランスは9都市とも「供給過剰」になることが分かった。京都は必要な客室数を1万2千室上回るとの見込みで、国内でも突出したホテルの開業ラッシュの影響が浮き彫りとなった。

 国内ではインバウンド(訪日外国人)需要の拡大を受けて各地でホテルの開業が相次いでいる。9都市全体で19~21年に開業予定のホテルの客室数は約8万室で、18年の既存客室数に対する割合は24%となる。京都はこの割合が51%と9都市の中で最も高かった。2位の大阪の32%と比べても群を抜いている。

 宿泊需要は、20年に訪日客4千万人、30年に6千万人とする政府目標に基づき、外国人延べ宿泊者数を20年は1億4千万人、30年は2億2千万人と推計した。日本人延べ宿泊者数は人口予測から20年が4億2千万人、30年は3億9千万人としている。

 これを基に、稼働率85%を想定して21年に必要な客室数を算出。供給見込み客室数との比較では、大阪が2万1千室、東京と京都が1万2千室、名古屋が8千室の供給過剰となった。一方で、大阪や京都では、客室の供給不足で予約が困難なため宿泊需要が流出や潜在化している可能性があるとして、供給増により回帰が期待できるとみている。

 ホテルの形態は、19~21年に開業予定の施設のうち、87%を宿泊主体型が占める。訪日客の多くを占めるアジアからの観光客は家族や友人などと訪れることが多く、近年は客室の主体はツインやダブルになっている。

 同社は、供給増により、訪日客増の中でもホテル間での優勝劣敗が分かれ始めているとして、「交通機関や観光地、繁華街へのアクセスなどより細やかな立地戦略が差別化の鍵となる」と指摘している。