【図解】iPS細胞で作った軟骨組織を移植する臨床研究のイメージ

【図解】iPS細胞で作った軟骨組織を移植する臨床研究のイメージ

 ヒトのiPS細胞(人工多能性幹細胞)からできた軟骨組織を膝関節の軟骨が損傷した患者に移植する臨床研究について、京都大が厚生労働省に実施承認を求めて申請したことが26日、関係者への取材で分かった。拒絶反応を引き起こしにくいドナーから作ったiPS細胞のストック(備蓄)を用い、腫瘍化の有無など安全性を評価する。

 対象となる「膝関節軟骨損傷」の患者は関節にある軟骨が損なわれた状態で、進行すると日常生活に支障が出る。患者自身の軟骨組織を別の部位から移植するなどの治療法があるが、効果が限定的といった課題があるという。iPS細胞を使うことで高品質な軟骨組織を移植し、治療効果を上げる狙いがある。

 今回の臨床研究では、移植は片膝のみに行い、軟骨の損傷面積が一定範囲内で年齢が20~70歳などの基準に合致した患者4人を対象とする。手術は関節鏡を用い、iPS細胞から作った軟骨組織を移植する。術後は6週間のリハビリを行い、1年間の経過観察をし軟骨の再生や修復を評価する。来年以降に患者の登録を開始する。

 iPS細胞から作った軟骨組織の移植については、京大iPS細胞研究所の妻木範行教授らが臨床応用を目指してきた。

 iPS細胞を使った再生医療の臨床研究や治験は、理化学研究所が目の病気「加齢黄斑変性」、京大が「パーキンソン病」や血液の難病「再生不良性貧血」で実施。大阪大などでも行われている。