芸能界は、反社会勢力との関係を、いまだに断ち切れないでいるのか。そういわれても、仕方のない不祥事だ。

 所属のお笑い芸人が反社会勢力のパーティーに出席していたとして、大手芸能事務所の吉本興業とワタナベエンターテインメントは、お笑いコンビ「雨上がり決死隊」の宮迫博之さんら計13人を、謹慎処分にした。

 パーティーがあったのは約5年前で、主催していたのは振り込め詐欺のグループだった。

 違法な詐欺で得た金銭が、報酬として芸人らに渡っていた可能性がある。反社会的行為に関係があったともいえ、一般社会の常識からすると、看過できない。

 ファンにとっても、本当に残念なことだろう。

 今回の不祥事は、芸能事務所を通さずに行う「闇営業」の中で生じた。

 闇営業を仲介して、パーティーに芸人を参加させていたお笑いコンビ「カラテカ」の1人は、すでに吉本興業との契約を解消されている。会社に無断で経営資源を使っていたのだから、ビジネスを行ううえで許されないことだ。

 注視したいのは、パーティーへの参加を報じられた今月はじめに、宮迫さんらが「反社会勢力とは知らなかった」と釈明したうえで、報酬の受け取りを否定したことである。

 闇営業だけに、金銭のやりとりに関する実態は分かりにくい。否定によって、一時は処分を免れている。しかし、その後、実際には報酬があったと分かり、これを重くみた吉本興業が、今回の処分に踏み切った。

 宮迫さんは「深く反省しております」とのコメントを出したが、虚偽の弁解をしていた経緯をみると、コンプライアンス(法令順守)を重視していたとは、到底思えない。

 一社会人として、どのような見識を持つのか、厳しく問われることになりそうだ。

 芸能人と反社会勢力との関係については、8年前に暴力団関係者との交際が明るみに出たタレント島田紳助さんのケースが、多くの人の記憶に残っていよう。

 当時は、島田さんが突如、芸能界からの引退を表明して幕引きとなり、本質的な問い掛けがあったとはいえない。

 両者の関係を清算せず、現況をそのままにしておくと、同じような不祥事が、今後も繰り返されるのではないか。