宇治市役所

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 京都府宇治市発注の公共工事を巡る談合事件に絡み、市への損害賠償金と遅延損害金の計約4億円が未回収になっている問題で、連帯債務のある14社のうち8社が、民事訴訟で賠償が確定した後も12年間に386件、総額約86億4400万円分の市発注事業を落札していたことが25日、市への取材で分かった。市が入札への参加を「特例」で認めているためだが、近年は未納分の回収がほとんどできていない。

 8社は一時指名停止とされたが、2007年9月以降に指名停止が解けた後、入札や随意契約で市発注の工事などを落札している。複数の社は水路建設工事や配水池耐震補強工事など1億円を超える工事を請け負っており、ゼネコンと共同で落札した数億円規模の事業もあった。

 8社を含む14社が問われた談合は、1995~99年度に市発注の河川改良工事などで繰り返した事案。2007年の最高裁判決などで、各社が連帯して市へ約3億1400万円を賠償することが確定した。市は、落札額を基に各社約2700万~280万円の暫定的な割当額を決め、分割を含めて納めた業者には「特例」(市契約課)で入札への参加を認めている。

 市契約課によると、14社は地元の企業で、特例措置は地域経済への影響を考慮して設けたという。同課は「(回収の姿勢は)これまで受け身の形だった。どう回収していけるか考えていきたい」としている。

 市の資料によると、未回収の連帯債権は今年5月末現在、利息に当たる遅延損害金を含めた約2億6900万円の残高がある。談合事件では14社のほか、比較的規模の小さい66業者もそれぞれの割合に応じて計約1億5100万円を市へ支払うように命じる判決が確定しているが、支払いは一部にとどまり、1億円以上が10年の時効を迎えて焦げ付く可能性が出ている。