「令和」への改元を記念したセールでにぎわう店内(5月1日撮影、京都市下京区・京都高島屋)

「令和」への改元を記念したセールでにぎわう店内(5月1日撮影、京都市下京区・京都高島屋)

 皇位継承に伴う10連休(4月27~5月6日)は、どれほどの経済効果があったのか―。公的機関などがまとめた京都と滋賀の10連休期間を含む景況感調査や京都の百貨店売上高によると、いずれも数値が後退していた。好調だった業界がある一方、効果はまだら模様で、その後の反動減や稼働日数の減少などの影響が見え隠れしている。

 史上最長となった10連休。全国の各交通機関は軒並み利用者が増加し、JRの新幹線や在来線特急が走る主要線区は前年同期比19%増の1516万人を記録した。航空会社の国内・国際線利用者は476万人、高速道路も30キロ以上の渋滞が51回発生した。

 京都市では東映太秦映画村(右京区)や京都鉄道博物館(下京区)などのレジャー施設で利用者が伸びたほか、ホテルも高い稼働率を維持。京都縦貫自動車道の交通量や京都丹後鉄道の乗降客も前年を上回る好調さをみせた。ただ、総合的にみると、人は動いたが、10連休中の景気への影響や小売業の売り上げは、予想を下回ったとの声も出ている。

 京都市内4百貨店の5月の売上高は前年同月比1・2%減の182億円にとどまった。各店とも改元セールや催事で来店客が増えたものの、ある百貨店のマネジャーは「連休が長すぎたのか、中盤は客足が振るわず売り上げに結びつかなかった」と、目標額が未達成だったと明かす。

 京都総合経済研究所などによる5月の景気動向調査でも、京都企業の業況判断指数(DI)は前期(2月)から3ポイント低下。そのうち非製造業は3ポイント悪化し、小売業は横ばい、サービス業は12ポイント下がった。同研究所は「人件費や原油価格の上昇が10連休の効果を吸収したのでは」とし、「京都経済をけん引する機械業種で中国経済の減速によりブレーキがかかり、個人消費など内需関連にも弱めの動きが出た」と分析する。

 日銀京都支店の6月金融経済概況は、京滋の景気状況を8カ月ぶりに引き下げた。肥後雅博支店長は「京都の消費や観光は非常に好調だったが、生産活動には弱まりもみられた」という。中国経済の減速に加え、稼働日の減少による影響が製造業の不振に表れていることがうかがえる。

 また、京都財務事務所の「法人企業景気予測調査」(4~6月期)は、前回(1~3月期)から0・2ポイント悪化。帝国データバンクが発表した京都の5月景気動向は、前月比2・0ポイント下落といずれも数字を落としている。

 これまで経験のない10連休の評価は業界によって分かれるが、全体的に景気を引き上げるまでに至らなかった。プラスとマイナスの影響が交差して基調判断は難しいが、10月に消費増税を控え、景気への先行き懸念も要因の一つとなっているようだ。

 

 宮本勝浩関西大名誉教授(理論経済学)の話 10連休の経済効果を2兆1395億円と予想したが、連休そのものに大きな効果があったことは間違いない。ただ、これは将来の消費を「先食い」しただけのこと。連休後に財布のひもが固くなるのは当然で、5月全体でならすと大きなプラスにはならなかった。消費は活発化したが、休日が増えると収入が減る非正規労働者や保育所に子を預けられない親にとっては、心理的な負担や格差を印象づけた側面も忘れてはならない。