乗客数が800万人を突破した醍醐コミュニティバスを見守る「市民の会」の役員たち。1千万人の大台に向け、持続的な運営を目指したいという(京都市伏見区)

乗客数が800万人を突破した醍醐コミュニティバスを見守る「市民の会」の役員たち。1千万人の大台に向け、持続的な運営を目指したいという(京都市伏見区)

 住民主体で運営し、京都市伏見区の醍醐地域を巡回する「醍醐コミュニティバス」の乗客数が、運行15周年の節目に800万人を超えた。地域の実情を踏まえた工夫や努力で利用者数は堅調だが、財政面で課題も抱える。関係者は「高齢化が進み、地域の足として役割はますます重要になっている」とし、安定的な運営で1千万人の大台を目指す。

 バスは自治会や女性会の有志らでつくる一般社団法人「醍醐コミュニティバス市民の会」が運営する。市バスが同地域から撤退したのを受け、住民らが新たな公共交通について議論を重ねて、2004年にスタートした。運行や車両整備はヤサカバス(右京区)が担っている。
 現在4路線で1日108便(平日)運行する。高齢者らが家に閉じこもらないよう、通院や買い物に適した路線やダイヤを設定したり、停留所を約250メートル間隔で設けたりと、地域に根ざした利便性を追求してきた。昨年には、乗降しやすいノンステップバス4台に一新した。
 ここ10年の乗客数は年間60万人前後で推移している。近年は春と秋を中心に訪日観光客らの利用も増え、今年3月に累計800万人を突破した。今月中旬には記念式典が開かれ、利用者らが感謝の思いを語り、バスのマスコットキャラの愛称が「コミちゃん」に決まったと発表した。
 一方、運営当初から財政面が課題だ。事業費は運賃収入に加え、地域の事業所や施設など「パートナーズ」からの協力金に支えられている。ただ、京都市の敬老乗車証を使う乗客が多いとし、同会は高齢化の実態に合わせ、敬老乗車証利用に対する交付金の見直しを市に重ねて求めていくという。
 同会の村井信夫理事長は「住民や企業など多くの協力があったからここまで来られた。世代交代も視野に入れ、持続的で安定した運営ができるようにしたい」と先を見据える。