全国高校野球選手権の地方大会が始まった。京都大会は7月6日、滋賀大会は7日に開幕し、熱戦が繰り広げられる。

 そんな中、投手の投げすぎによる肘や肩の障害が議論を呼び、投球数の制限などを日本高野連による有識者会議が検討している。

 今月の第2回会合では、焦点になっている1試合での球数制限には踏み込まず、大会終盤の一定期間の合計投球数に上限を設ける方向で一致した。

 1試合での投球制限については部員不足のチームが増える中、投手を複数そろえられない学校が不利になることなどが懸念されている。そうした声や現場の自由度を勘案して見送りを決めたようだ。

 ただ、これまでなかなかできなかった球数制限に小幅ながら一歩を踏み出す点は評価できる。

 具体的な日数や制限数などについては、9月の会合で検討し、11月に答申する。今のところ全国大会のみが対象だが、いずれ地方大会にも波及する問題だ。選手本位の視点で議論を詰めてほしい。

 投球数が100球を超えたイニングまでで降板する。そんな球数制限を春季新潟大会に限って全国に先駆けて導入すると新潟県高野連が表明したのは昨年12月のことだった。

 全国一律の規則にこだわる日本高野連の再考要請を受けて実施を見送ったが、この問題提起が有識者会議での議論につながった。

 日本高野連も、選手の負担軽減をそれなりに講じてきている。

 昨年の選抜大会から試合の早期決着を促す延長十三回からのタイブレーク制度を開始。今夏の全国選手権大会では休養日を準々決勝翌日のほか、準決勝翌日にも設けることを決めた。

 だが、球数制限の動きが早かったのはむしろ小中学校の方だ。軟式野球の全日本連盟は学童野球の投球数を1日70球までに、硬式野球の中学生ポニーリーグが1年生大会を1日85球までに、それぞれ制限することを今年決めた。

 小中学生で肘や肩を痛めた選手の46%が後に再発するとのデータもある。試合数の制限も含め、子どもの将来をけがでつぶさないことが大事だ。そうした小中学校の活動との一貫した取り組みが高校野球の障害予防にも求められる。

 問題は、故障を避ける大切さを理解しながら、試合になれば指導者も選手も目前の勝利のために無理をしてしまうことだ。そこに歯止めをかけるルールが要る。さらに検討を進めてもらいたい。