約30年ぶりに町内へと帰ってきた地蔵を拝む住民たち(京都市中京区竹屋町通河原町東入ル)

約30年ぶりに町内へと帰ってきた地蔵を拝む住民たち(京都市中京区竹屋町通河原町東入ル)

 京都市中京区指物町の住民たちが約30年ぶりに、町内の地蔵を復活させた。大正時代の市電敷設工事の際に発掘された歴史あるものだが、地蔵盆の衰退も相まって長年遠方に安置されていた。住民たちは町内にほこらを建てて迎え入れ、「今後はマンションの子どもたちも交えて地蔵盆の伝統を継いでいきたい」と意気込む。

 地蔵は1925年、河原町通の市電敷設時に見つかり、指物町でまつられた。町内の地主の敷地内に長年安置されて地蔵盆も開かれてきたが、約30年前、地主の転居に伴い左京区に移動したという。

 約3年前から町内の地蔵を復活させたいという声が高まり、2017年には地蔵を同区の行願寺へと移して地蔵盆も開催。そこで住民の一人が敷地の提供を申し出たことから、町内会費や寄付によりほこらが建てられた。

 地蔵は高さ約40センチの石に描かれており、今では薄れてしまった色彩が歴史を物語る。町内の子どもの名を書いた赤いよだれかけを飾り、今月24日に町内へと戻された。今夏はほこらを設置した住民宅で地蔵盆を開く予定という。

 同町内会の渡邊保さん(65)は「お地蔵さんが戻ってくれてうれしい。マンションに住む人たち含め、お参りや掃除をする輪が自然に広まれば」と願いを込めた。