政府が閣議決定した2019年版の「消費者白書」によると、18年に全国各地の消費生活センターなどに寄せられた消費者トラブルに関する相談は約101万8千件に達した。

 前年に比べ約10万件増え、11年ぶりに100万件の大台を上回った。日頃からトラブルに巻き込まれないよう、あらためて警戒を強める必要がある。

 相談の内訳を見ると、有料サイトの利用料や示談の着手金などの名目で現金を要求する「架空請求」が前年の約16万1千件からさらに増えて約25万8千件と、全体のほぼ4分の1を占めている。

 とくに、はがきによる請求の相談が約18万8千件で、前年の3倍を超えた。裁判所や法務省といった公的機関をかたり、受け取った人の不安をあおる手口が増えており、極めて悪質だ。

 副業や投資などのノウハウを販売するとうたう「情報商材」に関する相談の伸びも目立つ。18年は8787件と過去最多で、5年前の10倍超となった。相談者の年齢は40~50代が多く、契約額は10万~50万円未満が半数近くを占めるという。

 「暗号資産(仮想通貨)」についても「業者から反応がない」「システムにログインできない」といった相談が前年の約1・7倍の3657件寄せられ、最多を記録した。

 会員制交流サイト(SNS)が関連したトラブルも増加傾向が続き、18年は約1万6800件に達した。20歳未満から70歳以上まで、すべての年齢層で増えており、スマートフォンなどの操作に不慣れな中高年層だけでなく、若者も標的となっていることに気をつけたい。

 はがきやメールによる架空請求に対しては、相手に連絡して個人情報をさらに知られないことが大切だ。判断がつかないときやトラブルになった場合は一人で抱えず、すぐに住んでいる自治体の消費生活センターに相談すべきだ。消費者ホットライン「188(いやや!)」で窓口を案内している。

 日本では少子高齢化や人口減少、世帯の少人数化が進み、高齢者に関する消費生活相談が増加している。一方で、インターネットが取引手段として浸透し、技術革新や国際化の進展で消費者トラブルの内容は一層複雑化している。

 政府や自治体は最新の事例を詳しく紹介するなど情報提供にさらに力を入れ、注意喚起に努めてもらいたい。