甲府戦で攻め上がるサンガの仙頭(右)と小屋松。京都橘高出身のコンビが、今季の攻撃をけん引した=4日、たけびしスタジアム京都

甲府戦で攻め上がるサンガの仙頭(右)と小屋松。京都橘高出身のコンビが、今季の攻撃をけん引した=4日、たけびしスタジアム京都

 シーズン開幕前に行われたサンガの新体制発表会。補強ポイントについて、強化担当の野見山スポーツダイレクターは「激しいレギュラー競争ができる選手を獲得した。もう一つはコーチングスタッフの充実だ」と強調した。
 開幕時の選手は33人で、昨季の主力だったベテランの闘莉王ら大半が残留した。宮吉や安藤の復帰を含め12人が加入したが、プロ1年目が7人も占め、不安の船出となった。選手をレベルアップさせるため、クラブは中田監督とともに、国内最高のS級ライセンスを持つコーチ3人を招へい。2002年度にサンガを天皇杯優勝に導いたエンゲルスコーチら充実の指導陣が、練習ごとに役割を変えながら選手を鍛えた。
 大きく飛躍したのは、ともに京都橘高出身でサンガ3年目の仙頭と小屋松だ。両翼で技術とスピードを生かし、それぞれ10得点、9得点を挙げた。仙頭は「シュートの自主練習にコーチが付き合ってくれたおかげ」と感謝する。G大阪から期限付き移籍した一美はチーム最多の17ゴール。「3枚看板」でチームをけん引した。庄司や安藤ら技術が高い選手がそろい、ボールを保持する今季のスタイルを体現できたことも大きい。
 一方で「レギュラーと控えに力の差があり」(中田監督)、シーズン後半は先発の固定が増えた。新人7人のうち、主力を担えたのは下部組織出身の福岡のみ。助っ人として期待された外国籍選手のモッタやジュニーニョは存在感を示せず、試合の流れを変える「切り札」も現れなかった。
 中田監督は、首位争いを演じていた時期も「個々の能力で勝っている訳ではない」と強調し、後半戦に向け、夏場の移籍期間でクラブに積極的な補強を要望した。ただ今季は、編成の司令塔となるべき強化部長が不在。赤字見込みの厳しい財務状況や、好調なチーム状況を理由に、補強の動きは鈍かった。元日本代表の藤本、22歳の中坂を獲得したものの、出番は限られた。戦力を上積みした他の上位チームとは明らかな差があった。
 中田監督は最終節の柏戦後、淡々と語った。「チームは成長した。ただ、上位に突き抜けるほどの地力はなかった。クラブ全体としてもっと一心になっていかないと」

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 サンガは設立25周年の節目をJ1昇格で飾れず、府立京都スタジアム(京都府亀岡市)にホームを移す来季もJ2で迎える。失速した背景を探った。