碁聖戦第1局で初手を放つ挑戦者の羽根九段(左)と許碁聖(30日午前9時、京都市左京区・金戒光明寺)

碁聖戦第1局で初手を放つ挑戦者の羽根九段(左)と許碁聖(30日午前9時、京都市左京区・金戒光明寺)

 囲碁の許家元碁聖(21)に羽根直樹九段(42)が挑戦する第44期碁聖戦5番勝負の第1局は30日、京都市左京区の金戒光明寺で打たれ、午後6時1分、155手で羽根が黒番中押し勝ちした。7期ぶりの碁聖復帰に向け、開幕戦で好スタートを切った。「平成の四天王」と呼ばれたベテラン羽根が信念を貫く気迫の打ち回しで、若い世代を代表する許の粘りを封じた完勝譜だった。

 先後を決める「ニギリ」で黒番となった羽根は序盤、右上隅でコゲイマジマリを採用するなど、最新の“AI流”とは一線を画した布石で実利を稼ぐ。一転、左上隅では黒4子を捨てて先手を取るなど、自在の石運びをみせた。

 両者とも長考を繰り返し、立会人の林海峰名誉天元(77)らプロ棋士が検討する控室の形勢判断は、ほぼ互角。長期戦になるとみられたが、中央を重視する黒101、103の二段バネが、短手数で勝利を導いた羽根の強手だった。続く、白104のノビは許が「敗着だった」と認める緩手で、白143から黒5子を取り込んで実利を主張する局面だった。

 最後は、形勢不利とみた許が自陣の薄味を放置したのを、羽根がとがめ、白の大石を仕留めて決着をつけた。

 持ち時間各4時間のうち、羽根の残りは6分、許は1分。