碁聖戦の対局室に持ち込まれた氷柱。許碁聖(左)と羽根九段が冷風で暑さをしのぎながら熱戦を繰り広げた(30日午前9時1分、京都市左京区・金戒光明寺)

碁聖戦の対局室に持ち込まれた氷柱。許碁聖(左)と羽根九段が冷風で暑さをしのぎながら熱戦を繰り広げた(30日午前9時1分、京都市左京区・金戒光明寺)

  囲碁の許家元碁聖(21)に羽根直樹九段(42)が挑戦する第44期碁聖戦5番勝負の第1局が打たれた30日、京都市左京区の金戒光明寺の対局室「松の間」には重さ35キロの氷柱2本が持ち込まれた。枯山水の庭園に接する松の間は冷房設備がないための対策。氷からしたたり落ちる水滴が水琴窟の音のように響く中、氷にあたる扇風機の冷風で両対局者が梅雨の蒸し暑さをしのいだ。

 囲碁の対局で氷柱は、冷房が普及していなかった1970年ごろまでプロの公式戦で使われた。55年にプロ入りした林海峰名誉天元(77)は「対局者は、氷柱から溶けた水分を浸したタオルや手ぬぐいを肌にあてて涼を取っていた」と振り返る。

 タイトル戦では2014年6月に北海道網走市で行われた第69期本因坊戦7番勝負第3局で、冷房のないホテルの対局室に氷柱が置かれた。日本棋院の関係者は「近年は網走以外、ほとんど例がない。西日本ではとりわけ珍しいのではないか」と話した。