平和や人権擁護の分野で優れた報道作品を顕彰する市民団体「平和・協同ジャーナリスト基金」(東京都港区、岩垂弘代表運営委員)は、第25回基金賞の大賞に京都新聞社取材班の「旧優生保護法下での強制不妊手術に関する一連の報道」を選んだと発表した。


 京都新聞社は2016年以降、京都府と滋賀県に残る公文書を読み解き、国の通知に反するずさんな審査手続きの横行や、同法が禁じた「レントゲン照射」を国が容認していた事実を明らかにした。今年2月の連載「隠れた刃 証言優生保護法」では、40年前の不妊化措置を夫にも告げられない女性や、審査手続きに関与した元行政職員らの証言を得て、人権侵害の実態に迫った。
 選考委員会は「不当に差別され、虐げられてきた少数派の人々の人権を回復しようという動きに対応したタイムリーなキャンペーン」と評価した。
 奨励賞には、沖縄タイムス編集局の「権力の暴走をただし、民主主義を問う一連の報道」など7点が決まった。ほかの奨励賞は次の通り。

 【奨励賞】TBSテレビ制作のドキュメンタリー映画「米軍(アメリカ)が最も恐れた男 カメジロー不屈の生涯」(佐古忠彦監督)▽ドッグシュガー製作のドキュメンタリー映画「誰がために憲法はある」(井上淳一監督)▽共同通信平野雄吾記者の「入管収容施設の実態を明らかにする一連の報道」▽朝日新聞三浦英之記者の「南三陸日記」(集英社文庫)と朝日新聞連載「遺言」▽揺るがぬ証言刊行委員会の「揺るがぬ証言 長崎の被爆徴用工の闘い」(自費出版)▽信濃毎日新聞渡辺秀樹編集委員の「連載企画 芦部信喜 平和への憲法学」と関連スクープ