祇園のバーで傾聴に取り組む石倉さん(右から2人目)と福井さん(左端)=京都市東山区

祇園のバーで傾聴に取り組む石倉さん(右から2人目)と福井さん(左端)=京都市東山区

 月曜の夜、祇園のバーでお坊さんがあなたの話を聞きます―。京都市東山区の祇園会館近くで京都の僧侶たちが来店者の話に耳を傾ける「相談・坊」の活動を5月から始めた。僧侶は普段から傾聴に取り組んでおり、出勤前のホステスから仕事帰りの会社員まで幅広い人たちとの出会いをカウンターで待っている。

 現代社会と仏教をつなごうと活動するグループ「京都仏教文化フォーラム」が主催。同フォーラム代表の福井文雄さん(62)が祇園にある店を知人から託されたのを機に「何か仏教的なことをやりたい」と考え、「傾聴僧の会」代表の石倉真明さん(54)=上京区=とメンバーの三輪愿宗(げんそう)さん(40)=右京区=に声を掛けた。

 石倉さんは日々の檀家訪問では法話よりもそれぞれの家の人たちの話に耳を傾けようと心を砕く。「救いにつながるのなら、法話でも傾聴でもどちらでもいい」としつつも、自分が語るよりも徹底して話を聞く方が相手の心に響いていると実感することが多いという。

 ただ僧侶が日常的に関わる先は檀家が大部分を占めるなど限られた範囲にとどまる。2人が僧侶に縁のない人たちの話もじっくりと聞きたいと思っていたところに福井さんからの誘いがあり、「相談・坊」を始めることにした。

 知名度の低さもあって利用者はまだ少ないが、6月に話を聞いてもらった女性は「話しているうちに前向きな気持ちになれた」と話す。石倉さんたちが心掛けるのは「私たちが答えを出してはいけない」という点。穏やかに耳を傾けつつ相談者の思いを支えるのが理想という。福井さんは「祇園という場は多くの人を引きつける。お酒を飲む人も飲まない人も話しに来てほしい」と話す。

 会場は東山区祇園町北側のソニアビル地階「祇園・ギャザー」。月曜の午後6~8時。料金はワンドリンク付きで30分、千円。予約は京都仏教文化フォーラムのホームページから。