ホーム最終戦でスタンドを埋めるサポーター。来季から本拠地となる府立京都スタジアムでも大勢のファンを呼び込めるか(16日、たけびしスタジアム京都)

ホーム最終戦でスタンドを埋めるサポーター。来季から本拠地となる府立京都スタジアムでも大勢のファンを呼び込めるか(16日、たけびしスタジアム京都)

 ブーイングの響かないホーム最終戦は3年ぶりだった。16日にたけびしスタジアム京都(西京極陸上競技場)で行われた千葉戦。今季4番目に多い1万1216人が集まり、1―0で勝利した熱戦に声援を送った。年明けに京都府亀岡市で府立京都スタジアムが完成するため、西京極がメインで使われるのは最後となった。
 応援のコールリーダーを務める会社員男性(32)=京都市山科区=は2年前が12位、昨季は19位と、低迷した過去2年との変化を感じていた。「ずいぶんサポーターが戻ってきた。いい雰囲気をつくれていると思う」
 成績が上向いただけでなく、パスをつなぐスタイルが観客を引きつけた。昨季の1試合平均入場者は過去2番目に少ない5663人だったが、今季は平均7850人で38・6%増となった。昨季J3だった琉球と鹿児島を除き、J2クラブで最高の伸び率だった。
 西京極の合計入場者数は16万4845人で、目標の15万人を突破。後押しを受けたチームは、ホームで15試合連続負けなしというクラブ記録を樹立した。
 この流れを新スタジアムに結びつけられるか。球技専用でピッチとの距離が近く、観戦環境は格段に向上する。芝の整備などスタジアムの管理運営にもサンガが初めて参画する。選手の期待は大きく、主将の宮吉は「専用スタジアムでプレーするとアドレナリンの出方も違う。すごく楽しみ」と胸を躍らせる。
 ただ、集客面の懸念材料は多い。慣れ親しんだ西京極から場所を移す影響は不透明で、新ホームでJ1を迎えるという命題も果たせなかった。J2は10季連続となる。
 伊藤社長は、最終節のアウェー柏戦で大敗し、8位が確定した直後、「選手だけでなく監督やコーチ、強化、フロントなどの総合力として、最後は力負けした。しっかり見直したい」と語った。今季の決算は人件費などがかさみ、赤字の見込みだが、来季は新スタジアム効果で集客やスポンサー収入の増加を見込み、黒字を確保したいとする。一方で「選手にしっかり投資するのは大事」とも強調する。
 来季の指導陣の顔ぶれも明らかになりつつある。監督は、昨季の19位からチームを引き上げた功績のある中田氏を交代させるという決断を下した。クラブは「さらに上を目指すため」としている。強化部長には、J1浦和などでチーム編成を担った山道氏を招へい。複数年契約が満了となる選手も多く、刷新の予感が漂う。
 サンガはこれまで、監督や選手が大きく入れ替わるたびに、一から再出発を繰り返した。今季の到達点をベースに向上し、「負の歴史」と決別しなければ、晴れ舞台にふさわしいクラブにはなれない。

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 サンガは設立25周年の節目をJ1昇格で飾れず、府立京都スタジアム(京都府亀岡市)にホームを移す来季もJ2で迎える。失速した背景を探った。