6月29日に開幕した「京都大作戦」のトップバッターとして2万人の観客を前に演奏する「ヤバイTシャツ屋さん」=宇治市・太陽が丘

6月29日に開幕した「京都大作戦」のトップバッターとして2万人の観客を前に演奏する「ヤバイTシャツ屋さん」=宇治市・太陽が丘

 「僕は、京都大作戦と10―FEET(テン・フィート)のせいで人生が狂わされました。普通に学校を出て、普通に仕事をする人生を送ると思っていたんですけど…」。CMやテレビ番組にも引っ張りだこの人気バンド「ヤバイTシャツ屋さん(略称ヤバT)」。京都府宇治市で育ったボーカル兼ギターこやまたくや(26)が、2万人の観客を前に、ステージで語り始めた。

 昨年は西日本豪雨のため中止となり、2年ぶり開催となった野外音楽フェス「京都大作戦」。京都のバンド「10―FEET」が呼び掛け、宇治市の太陽が丘で2008年から続けている。今年は「倍返しです!喰(く)らいな祭(さい)」と銘打ち、6月29、30日と7月6、7日に例年の2倍の計4日間、50を超えるアーティストが集う。初日の6月29日、トップバッターを任されたのが「ヤバT」だった。

 代表曲「あつまれ!パーティーピーポー」や映画主題歌になった「かわE」などヒット曲を連発しながら、大作戦への思いを、こやまがMC(トーク)で打ち明けていく。

 地元の莵道高1年だった11年前、初回の大作戦を見に来て、初めて10―FEETのライブを体感した。「お客さんが全員笑っていて、飛び跳ねていて、僕もバンドをしないといけないと思いました。帰ってすぐ、一緒に行った友だちと10―FEETのコピーバンドを組みました。大学生になって今の仲間を見つけて、このバンド(ヤバT)を組みました。そして、今このステージに立っています」

 高校時代から観客として毎年皆勤で見続けてきた大作戦。ヤバTがメジャーデビューした2年前からは、自らも「牛若ノ舞台」(4千人収容)に出演し、人気の高まりを受けて、今年初めて2万人の「源氏ノ舞台」に抜てきされた。バンドに憧れる中高生や学生にとって、夢物語のようなストーリーが実現している。

 初日の大作戦では、トリの「10―FEET」や京都の盟友バンド「ROTTENGRAFFTY(ロットングラフティー)」も入魂のライブを繰り広げた。40代の彼らに、20代のヤバTらが続き、さらに刺激を受けたファンが…。京都大作戦も10年を超え、そんな循環が生まれつつある。

 ヤバTこやまはMCの最後、改めて叫んだ。「2008年に10―FEETのライブを見たせいで人生が狂いました。おかげで今、めちゃくちゃ幸せです」=敬称略