「ゲーム障害」を疑われる若者がかなりの数いることが浮き彫りになった。

 全国の10~29歳の約3割が、平日に2時間以上オンラインゲームをしているとの調査結果を、国立病院機構久里浜医療センターが発表した。

 時間が長い人ほど学業や仕事への悪影響や、体や心の問題が起きやすい傾向にある。予想されたことだが、これまで国レベルの実態調査はなかった。

 スマートフォンは急速に普及しており、すでに多くの小中高生にとってオンラインゲームは身近なものとなっている。

 対策は遅れている。今回の調査を足がかりに、有効な治療指針作りや予防策につなげたい。拠点機関の設置や専門の医療スタッフ育成も急がれよう。

 今年5月、世界保健機関(WHO)は、心身に問題が起きてもゲームをやめられない状態を「ゲーム障害」という依存症に認定した。センターは厚生労働省の委託を受けて調査を行った。
 問題が生じている割合は、全体としてゲーム時間が長くなるほど高い。2時間を境に大きく増えた項目が複数あったという。

 重症化すると昼夜逆転し、学校や仕事に行かずに引きこもりになったり、家族への暴力に発展したりすることがある。調査では「6時間以上」の人の2割以上が、過去1年で半年以上自宅に引きこもっていたと回答した。

 依存が起きやすいのは、多くの人が同時に対戦プレーできるようなオンラインゲームといわれる。1人だけ抜けるのが難しいのが一因だろう。

 そもそもゲームは、より面白く熱中するように作られている。供給する側の責任が厳しく問われるのではないか。

 WHOの認定を受けて国内の業界団体は研究会を設置したが、対策に及び腰との批判もある。積極的な取り組みを求めたい。

 ゲーム依存は世界規模の課題となっている。治療法は手探りの状態だが、一方で腕前を競う「eスポーツ」が普及し、ゲーム人口は今後ますます増えるとみられる。

 特に心身の成長過程にある子どもをどう守るか。社会全体で考え、環境を整える必要がある。

 依存の原因は本人よりむしろ、家庭や学校など環境にあることが多いと専門家は指摘する。

 親子でルールをつくるなど、子どもに主体的に使い方やリスクを考えさせることも大切だ。まず周囲の大人が注意を払いたい。