10月下旬、立命大で部員と稽古に励む今(立命大・第二尚友館)

10月下旬、立命大で部員と稽古に励む今(立命大・第二尚友館)

世界選手権の女子無差別級で準優勝し、表彰台で記念撮影する今(左)=10月13日、堺市 立命大相撲部提供

世界選手権の女子無差別級で準優勝し、表彰台で記念撮影する今(左)=10月13日、堺市 立命大相撲部提供

 女子相撲をリードしてきた立命大4年の今日和(こんひより)が、新たな道を切り開こうとしている。10月の世界選手権で2年連続銀メダルに輝き、来季は数少ない実業団選手として現役を続けるだけでなく、国際相撲連盟の選手委員として競技普及も目指す。その存在が海外から注目され、自身のドキュメンタリー映画が制作されるなど新たな動きも生まれている。「女子相撲を知らない人も巻き込んでいきたい」と決意を語る。

 今は昨年の世界選手権無差別級で準優勝。今年10月の同大会で世界一を目指したが、決勝でウクライナ選手に敗れた。大学4年間の集大成としての優勝はかなわなかったが、来季から愛知県の実業団で競技を続ける。国内の相撲界では、大相撲を除けば男子でも社会人で競技を続ける環境は乏しい。今は男子チームを持つ会社に自らを売り込み、初の女子部員として加入が決まった。
 さらに意外な展開もあった。今の存在に注目した英国の映画監督から1年半にわたり密着取材を受けた。その短編映画「相撲人(原題リトル・ミス・スモウ)」が英国や日本で上映され、英BBC放送の「今年の100人の女性」にも選ばれた。10月からは大手動画配信サイトを通して世界中で公開されている。
 映画は、アマチュア相撲での奮闘ぶりと大相撲の女人禁制との対比に焦点が当てられた。一方で、今自身が最も関心を寄せているのは、相撲の五輪競技入りだ。国際相撲連盟は昨年、国際オリンピック委員会(IOC)の正式承認団体になった。IOCによって採択されるオリンピック憲章には男女平等が明記され、連盟は採用に向けたアピールを続けている。執筆中の卒業論文では女子相撲の発展について扱う予定だ。
 その胸には、故郷の青森で幼少から親しんだ相撲を世界に広めたいとの夢がある。「体さえあれば、途上国でもできるスポーツ。五輪競技になればどの国でもスポンサーなどの支援が受けられる」。まずは競技を知ってもらうため、「スポーツと無縁の人も、全ての人に映画を見てほしい」と力を込めた。