【資料写真】南丹市が導入した防護柵

【資料写真】南丹市が導入した防護柵

京都府内の野生鳥害による農作物被害額

京都府内の野生鳥害による農作物被害額

 京都府内で猛威を振るった獣害が近年減少し、昨年の野生鳥獣による農作物被害額は10年前と比べて約3分の1に減った。府などによると、防護柵による農地の囲い込みと猟期外の捕獲などが功を奏したとみられるという。ただ、有害鳥獣駆除にあたる免許取得者の高齢化など課題は残る。

 府によると、府内の農作物への被害額は2007年度まで5億円前後で推移し、ピークの2008年度には約7億4400万円に達した。
 被害軽減を目的に同年施行された鳥獣被害防止特措法で、捕獲許可権限が市町村に委譲され、猟期(府内は11月15日~翌年2月15日)外での有害駆除が強化された。駆除費が上乗せされた影響もあり、年間の捕獲実績が最も多かった15年度は、09年度と比べて約2倍となるシカ約2万3千頭、イノシシ約1万4千頭を駆除した。
 また、防護柵による農地や集落の囲い込みが推奨され、国や府の補助金によって設置された府内全体の防護柵の総延長は11年度から昨年度末までで約3200キロに及んだ。
 これらの対策により、被害額は年々減り、16年度からの3年間は3億円を割り込み、昨年度は約2億7400万円にまで減少。被害の大きい府丹後広域振興局は「農地の囲い込みが一定終わり、個体数も減ったことが被害減につながった」と話す。
 一方で、狩猟免許の登録者数の高齢化が深刻だ。19年現在、府内で約3300人が登録するが、60代が約22%、70代以上が約26%で、60代以上が全体の約半数を占める。府では講習会を催すなど新たな捕獲の担い手育成に力を入れている。同振興局は「全体の被害は減ったとしても、個々の農家の被害の実感は強い。今後も有害鳥獣駆除の担い手を確保して対策していきたい」と話している。