阿蘇海のヘドロを用いたヒートポンプの実験に取り組む松森さん(京都府宮津市須津)

阿蘇海のヘドロを用いたヒートポンプの実験に取り組む松森さん(京都府宮津市須津)

 京都府宮津市須津の男性がこのほど、天橋立の内海・阿蘇海に堆積するヘドロを活用したヒートポンプ(熱を移動させる装置)の実験に成功した。男性は「建物の屋根や壁に設置して熱をお湯として回収できれば、電力の削減につながるはず。地球温暖化対策に利用できるかもしれない」と力を込める。

 松森豊己さん(78)は、日本冶金工業大江山製造所で研究者として働いていたころから阿蘇海の環境問題に関心を寄せていた。退職後、ヘドロから土壌改良材を生成する研究に取り組む中でヘドロの優れた吸湿作用に気付き、2005年ごろにヒートポンプの研究に取り掛かった。
 銅板を溶接した銅パイプと冷却器の上に置いたヘドロ入り容器をパイプでつないだ実験装置は完成に約3年を要した。銅パイプの中に水を含んだ布を入れて投光器で熱すると、次第に水が蒸発して銅パイプや銅板の温度は下がり、ヘドロは蒸気を吸収して温度が上がることが確認できる。
 今後は、ヘドロを冷却してより高温の水を回収することや、ヘドロが吸った水を銅パイプ内の布へ戻すことが課題という。
 バス停の屋根や海水浴場のパラソルにヘドロヒートポンプを用い、仕組みを体感できる実証装置を作りたいと意気込む。松森さんは「役に立たないと思われているヘドロが、地域問題の解決に一役買うかもしれないことを知ってほしい」と話している。