選手時代の経験や実業家としての挑戦について語る為末さん(京都市下京区・京都経済センター)

選手時代の経験や実業家としての挑戦について語る為末さん(京都市下京区・京都経済センター)

 京都経済センターの開業記念講演会が8日、京都市下京区の京都経済センターであり、陸上男子400メートル障害で世界選手権銅メダルを2度獲得し、現在はベンチャー企業の支援などに取り組む為末大さんが講演した。「自分を育てる」と題し、選手時代から自分と向き合い、試行錯誤してきた経験を語った。

 為末さんは、2000年のシドニー五輪予選での転倒を転機に挙げ、「事実の把握」「内省」「対策」の重要性を指摘した。

 転倒の原因として、風の影響で歩幅がずれたことに気づけなかったこと、予想外の追い上げへの焦りがあったと分析。内省と対策から転倒の経験を翌年の世界選手権銅メダルにつなげ、「過去は変えられないが、自分次第で過去の意味は変えられる」と振り返った。

 コーチを付けず1人で大舞台に挑む自身のようなアスリートは起業家と似ていると考え、引退後は日本では少なかったスポーツ関連のベンチャー企業支援に挑戦。仮説を立て実行を繰り返してきた選手時代の経験を生かして軌道に乗せつつあり「工夫や試行錯誤は究極の楽しみ」と話した。

 競技も事業も「人間を理解し、可能性を拓く」をテーマとしていて、「挑戦がうまくいくか分からないが、試行錯誤を続け事業を大きくしていきたい」と展望を語った。

 講演会は、同センターに入る京都商工会議所など経済4団体が共同開催した。