HAPSの事務所で行われている若手芸術家の作品の終夜展示。「アートの常夜灯」が通りに浮かぶ(11月14日)=京都市東山区

HAPSの事務所で行われている若手芸術家の作品の終夜展示。「アートの常夜灯」が通りに浮かぶ(11月14日)=京都市東山区

終夜展示を担当するHAPSの沢田さん(右)と今季の展示を企画した黒木さん

終夜展示を担当するHAPSの沢田さん(右)と今季の展示を企画した黒木さん

 芸術家の活動を支援する東山アーティスツ・プレイスメント・サービス(HAPS)=京都市東山区=が、オフィスの玄関をギャラリーとして若手の創作者に開放し、作品を夜通し展示する取り組みを続けている。夜の通りに明るく浮かぶ“アートの常夜灯”として地域でも親しまれている。

 ギャラリースペースは大和大路通に面した事務所1階の幅5メートル、奥行き3メートル。業務時間外の午後6時から翌朝9時半まで、室内にライティングを施し、ガラス越しに現代美術作品を鑑賞できる。
 HAPSが美術館やアートスペースでイベントなどの企画立案を担う専門職「キュレーター」を養成する目的で、2013年に始めた「ALLNIGHT HAPS」の取り組み。年間2組のアーティストらをキュレーターに選び、それぞれテーマ設定や取り上げる創作者の選定、展示空間の演出など、「小さな展覧会」をプロデュースしてもらう。終夜展示のアイデアは「夜は暗くなる場所なので、明るくしてほしい」という地域の声から生まれた。
 壁一面にライブペインティングを施したり、建物の2階正面にも作品を掲出して室内と一体化させたりするなど、アイデアはさまざま。現代美術家の黒木結さん(28)=上京区=がプロデュースした開催中の展覧会では、11月22日まではフロア一面に土を敷き詰めて使用した。「制限なく、さまざまなことをやらせてもらえている。何をどう伝えるのか、勉強になります」と話す。
 ショーウインドーのように開かれた展示だけに、普段は現代アートに接点のない人の目にも付きやすく、周辺のゲストハウスなどに宿泊している外国人観光客が足を止めることも多い。
 担当スタッフの沢田朔さん(28)は「展示スペースとしては決して恵まれた条件ではないが、面白い作品を紹介してもらえている」と手応えを感じている。