ハンセン病家族訴訟の熊本地裁判決について国が控訴しないと表明したことを受け、京都府南部に住む原告の男性(70)は9日、「控訴はないと信じていた。当然の判断だ」と話した。

 元患者の姉(74)は、57年前に収容された国立ハンセン病療養所で今も暮らしている。男性は「姉も自分も国の隔離政策の犠牲者として、染みついた傷が癒えることはない」とした上で「改めて国は、偏見差別の解消に向けて先頭に立ち、被害の救済へ真摯(しんし)に取り組むべきだ」と望んだ。

 また、真宗大谷派(本山・東本願寺、京都市下京区)は同日、但馬弘・宗務総長名で宗派声明を発表した。声明文では、国に対し「家族への偏見・差別を解消し、家族関係の回復に向けた実効性をもった法律の制定や施策の遂行など、その責任を果たしていくことを強く求める」としている。