天皇の代替わりから2カ月たった。皇位を安定的に継承していけるかという課題は残ったままだ。

 現行の皇室典範では皇位継承資格者は「男系男子」に限られ、秋篠宮さま、その長男の悠仁さまの順番となる。このままでは、将来の皇室を悠仁さまお一人が担われる可能性が現実味を帯びてくる。

 継承者の先細りは、憲法に定められた天皇のあり方を揺るがしかねない。喫緊の課題である。

 一昨年6月成立の退位特例法に関する国会付帯決議は「安定的な皇位継承の確保」を法施行後速やかに検討するよう政府に求めた。

 天皇は「国民統合の象徴」である。継承については国民的な議論を進めることが必要だ。参院選はその絶好の機会のはずである。

 積極姿勢が目立つのは野党だ。

 立憲民主党は女性天皇、父方に天皇がいない女系天皇、女性宮家創設のいずれも認めるとした。国民民主党は、女系天皇は認めないが、男系の女性天皇は容認する。

 共産党は女性・女系天皇に賛成だと明言、日本維新の会は女性宮家創設に関する議論を始めた。

 しかし政府は、安定的な皇位継承策についての議論は、今年10月の天皇即位の中心儀式「即位礼正殿の儀」を終える秋以降に検討を始める方針だという。

 安倍晋三首相は3月の国会答弁で「男子継承が古来、例外なく維持されてきた」と、女性による皇位継承に慎重な姿勢を崩さない。

 保守派が多い自民党は、男系男子により継承されてきた皇室の伝統を重視する。だが、今後に関して具体的な言及をしていない。

 皇位継承のあり方を考えることは、もはや先送りできない。政府や自民の対応は、議論を避けていると言われても仕方ない。

 皇位継承を巡っては小泉純一郎内閣の有識者会議が2005年、女性・女系天皇を容認する報告書をまとめた。12年の野田佳彦内閣は、女性宮家創設を軸とした論点整理を公表している。

 だが、いずれも後を継いだ安倍内閣が棚上げしたままだ。

 共同通信が5月に行った世論調査では女性天皇を認めることに8割が賛成、政党支持別では自民支持層の賛成は8割近かった。女性宮家創設に関しては昨年12月の調査に7割超が賛成している。

 女性皇族の中には結婚を考える年齢の方も多い。議論を急がないと、皇室活動にも支障が出かねない。各党はそれぞれの考え方を説明し、論戦を交わしてほしい。