昨年の祇園祭で巡行する四条傘鉾(下京区)

昨年の祇園祭で巡行する四条傘鉾(下京区)

 バブル経済たけなわだった昭和の終わりに祇園祭の山鉾巡行に復帰した四条傘鉾(京都市下京区四条通西洞院西入ル)が今年で31年目を迎える。巡行に参加する34の山鉾町の中で唯一、ホテル内に会所をしつらえるなど平成の間は不況に翻弄(ほんろう)されてきたが、令和となって初めての巡行を迎える今、新しい世代の担い手が少しずつ育ってきている。

 四条傘鉾は当時町内にあった京都相互銀行が本体の傘を寄付したことに始まり、1988年に巡行に復帰した。「バブルの落とし子だった」。保存会会長の大竹昭夫さん(77)が当時を振り返る。

 銀行は97年に破綻。経営は別会社に引き継がれ、本店のあったビル内に置いていた鉾は保管場所を失った。その後は別の場所に保管先を見つけ、鉾建ての後は四条通沿いにあるホテルの一室に会所飾りをする。

 ただホテルも途中で経営者が変わった。その後も協力は続くが、部屋を借りられるかどうかは祭りの直前にならないと分からない。大竹さんは「何よりも神様を安心してお迎えできる場所がほしい」と話す。

 唯一の支えは踊り手や囃子(はやし)方として参加する子どもたちが楽しみにし、復帰当時に踊り手だった小学生が成長しても祭りに関わり続けていることだ。大竹さんは巡行への参加費を捻出するため、お守りを毎年手作りして前祭(さきまつり)の宵山期間に有料で授与している。「子どもらが頑張ってるから私らも気張らんと。目立たない鉾やけど、多くの方に知ってもらって応援してほしい」と語る。