「#○○候補」と打つと出てくる。

 「駅前での街頭演説。応援ありがとうございました」

 選挙活動の様子は、わざわざ出かけなくてもツイッターですぐに分かる。

 しかし、それでおしまい、では物足りない。双方向性を生かして、候補者に問いかけ、対話する「場」にならないものか-。

 インターネットを使った選挙運動が解禁されて6年。政党や候補者が、ツイッターやフェイスブックなど会員制交流サイト(SNS)を活用するのは、もはや当たり前になっている。

 参院選公示日には、候補者の第一声の映像が写真共有アプリ「インスタグラム」に投稿され、フェイスブックやツイッターを使って演説や街宣活動の様子や予定などの情報が連日更新されている。

 各党ともネット活用は重要な選挙戦術の一つになっている。ただ、どれだけ訴えが有権者に伝わっているか、手応えを得にくいようだ。

 有権者側も積極的にネット選挙に参加したいものだ。

 政党や候補者の主張や動きをネットでチェックすれば、公約の本気度が見えてくるかもしれない。街宣の日程を調べ、近所に来た際には演説を間近に聞いてみたい。

 ツイッターやフェイスブックでは、候補者との応答も見受けられる。しかし、突っ込んだ質問や答えは、見た限りだが、ほとんどないようで残念だ。

 たとえば年金問題は、高齢者だけでなく若い世代も関心が高い。しかし、街頭演説では党の公約の域を出ず、聞いていて肩すかしを感じる。

 ネットで質問したいところだ。候補者が自分の考えを示し、ネット上で深い議論ができないものか。

 ネットの双方向性を活かした議論の場こそ、選挙に求めたい。そうならないのは、政党の枠にとらわれすぎて、議員や候補者が自由に議論する政治風土ではないからか。

 一方、ネット環境の中で育った若い世代は、真偽不明の情報があふれるネットを、そもそも政治を議論する場とみていないと、専門家が指摘する。

 それでも、ネットを巡ると、若者たちが選挙の争点や各党の公約をまとめ、意見を交換するSNSに出会う。こうした場が増え、候補者が議論に加われば選挙は盛り上がるはずだ。

 過激な中傷や偽情報も飛び交っている。選挙中に限らずネットで見られる光景だが、誤った情報で投票の判断をゆがめられないよう、注意が必要だろう。

 ネット上の疑義ある情報を検証するNPO法人「ファクトチェック・イニシアチブ」(FIJ)は、参院選で情報提供を受けるほか、人工知能(AI)で疑義情報を検知する仕組みを取り入れた。

 ネットメディアなどと連携して、ガイドラインを基に検証、疑義のある時は根拠を示して公表することにしている。

 真偽を見極めながら、ネットをどう活かすか。選挙参加の形が変わるかもしれない。