同志社大(京都市上京区)

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 意思決定における脳神経の働き方の一部を解明したと、同志社大や米コールドスプリングハーバー研究所のグループが発表した。過去の失敗の記憶など意思決定の根拠となる各情報を持つ細胞群を、ラットを使った実験で特定したという。英科学誌ネイチャーに5日掲載される。

 動物が意思を決定する時には前頭葉(眼窩(がんか)前頭皮質)の神経が役割を果たすことが知られている。しかし従来は、意思を決めるタイミングごとに各神経がランダムに働いているように観察され、詳細な仕組みは不明だった。

 同大の廣川純也准教授らはラットに特定の臭いをかがせた後、その臭いの種類によって目の前に二つある穴から異なる量の水が出る実験モデルを構築。臭いの種類などで48パターンの選択場面を作り、ラットがより多い水を得られる臭いの種類を判断して穴を選ぶ際の脳神経の働きを調べた。

 計7匹のラットに対して1匹につき約1万回の試行をして各約100~200個の神経細胞の活動を観察した。その結果、前頭葉の細胞群は九つに分かれて働くと確認できた。各細胞群は「報酬量の予測」や過去の実験での「失敗の記憶」などに対応していると解釈できたという。さらに「失敗の記憶」を担う神経群は線条体という脳の別の部位につながっていることが分かった。

 廣川准教授は「意思決定に関わる神経群をさらに研究すれば、依存症の治療などに生かせる知見が得られるかもしれない」と話している。