嘉多丸君と対面する一條實昭さん(右)=京都市下京区・函谷鉾町会所

嘉多丸君と対面する一條實昭さん(右)=京都市下京区・函谷鉾町会所

一条実良が詠んだ和歌の懐紙を持つ一條さんと岡本理事長(右)

一条実良が詠んだ和歌の懐紙を持つ一條さんと岡本理事長(右)

 祇園祭の函谷(かんこ)鉾(京都市下京区)の稚児人形・嘉多丸君(かたまるぎみ)の誕生180年を記念してモデルとなった一条実良(さねよし)の5代後の子孫が15日、同区四条通烏丸西入ルの函谷鉾町会所で嘉多丸君と初めて対面した。一条家は最も格式の高い公家「五摂家」で、子孫は「先祖の子ども姿にお参りするのは変な気持ちだが、これをご縁にしたい」と喜んだ。函谷鉾保存会は実良の詠んだ和歌が新たに見つかったことを公表した。

 東京都の弁護士一條實昭(さねあき)さん(73)。保存会役員から今春、一条家の協力による稚児人形制作が1839年の鉾再建につながったと聞き、実良の父忠香(ただか)が命名した嘉多丸君の下を訪れた。

 實昭さんは町会所の床の間に飾られた嘉多丸君を御簾(みす)越しに眺め、役員から「お顔が似てる」と声を掛けられると笑顔を見せた。実良は34歳で早世し「祖父や父から祇園祭の話は聞かなかった。貴重なエピソードになる」と話した。17日の前祭(さきまつり)巡行に裃(かみしも)姿で初めて参加する。

 岡本正理事長(53)は同日、実良直筆の和歌2首が書かれた懐紙を披露した。うち1首は「山かぜの吹をろすより夕波ハくだけてかかるから崎の松」と琵琶湖を題材にしている。實昭さんと嘉多丸君との対面予定を伝えた6月22日の京都新聞記事を受け、所有していた東本願寺職員の山口昭彦さん(58)が保存会に寄付した。