塩見さんが撮影した皆既日食の始まる直前のダイヤモンドリング。赤い炎のように見えるのがプロミネンス(チリ・ラセレナ)=本人提供

塩見さんが撮影した皆既日食の始まる直前のダイヤモンドリング。赤い炎のように見えるのがプロミネンス(チリ・ラセレナ)=本人提供

チリ・ラセレナの宿泊先近くで皆既日食を撮影する塩見さん(本人提供)

チリ・ラセレナの宿泊先近くで皆既日食を撮影する塩見さん(本人提供)

 皆既日食の美しさに魅せられ、海外に出掛け撮影を続ける京都府福知山市のアマチュアカメラマンの男性が、南米チリでダイヤモンドリングなどを撮影した。海外での挑戦は5度目で、「天候に恵まれ、神秘的な輝きを撮影できた」と喜んでいる。

 舞鶴工業高等専門学校名誉教授の塩見堯(たかし)さん(79)=福知山市上天津。大学時代から天文に興味があり、高専では物理などを教える傍ら天文同好会の顧問を務めたこともある。2004年に定年退職し、数年後に市内の写真サークルに入り、風景や祭りなどをカメラに収めた。

 皆既日食の撮影に挑戦したのは09年、上海に出掛けたのが最初。その時は、天候が悪く部分日食しか撮影できなかった。12年から定期購読を始めた天文雑誌の付録で日食の迫力ある映像を見て「これだ」と、のめり込むようになった。オーストラリアやインドネシアなど各地で撮影に臨んだ。「足を運ばなければ見ることはできない。自然が作り出す神秘的な美を追求したい」。その気持ちが撮影の原動力だ。

 今回の撮影場所はチリ中部のラセレナ。6月30日に出発し、途中、飛行機が遅れ2昼夜と16時間かかった。着いたのは現地時間7月2日午後1時頃で日食開始の約2時間半前だった。スーツケース2個に収納した撮影機材に異常はなく、すぐに準備を始めた。

 午後3時22分に太陽が欠け始め、皆既日食は午後4時38分から約2分間。一帯が夜のように暗くなり、ダイヤモンドリング、次いでコロナやプロミネンス(紅炎)を伴う黒い太陽が現れた。塩見さんはベストを尽くすことだけを考え、無心でシャッターを切った。

 ポイントとなるシャッター速度などを研究して挑んだ。「天候など条件がそろわないと納得のいく写真は撮影できない。年齢を考えれば今回が最後かもしれない。思い切って行ってよかった」と塩見さん。今後は撮りためた日食の画像を写真集にまとめるという。