2014年8月、京都大で講演する中村さん。講演などで京都へもしばしば訪れた

2014年8月、京都大で講演する中村さん。講演などで京都へもしばしば訪れた

 4日死亡したNGO「ペシャワール会」現地代表の医師中村哲さんを知る京都の関係者は、突然の悲報に言葉を失った。


 京都市左京区岩倉の自宅で講座「言葉を紡ぐ」を主宰している論楽社(ろんがくしゃ)代表の虫賀宗博(むしがむねひろ)さん(64)は、中村さんを繰り返しゲストに招いてきた。中村さんは、米国によるアフガニスタン攻撃で多くの子どもや女性が犠牲になったことを紹介。「平和で緑豊かな村を再現することで、殺されていった人々の無念を晴らしたい」と博多弁混じりで語っていたという。
 虫賀さんは「『困っている人から助けるんだ。何も難しいことではない』と淡々と話していたが、大干ばつと戦乱が続く現地で井戸を掘り続けるのは相当な執念がないとできない。きっと覚悟の上だったのでしょう」と涙ぐんだ。
 中村さんは、地球環境保全への功績をたたえるため京都府や京都市などが創設した「KYOTO地球環境の殿堂」の表彰を2016年に受けていた。
 中村さんの殿堂入りを推薦した総合地球環境学研究所(北区)教授の阿部健一さん(61)は、「中村さんの活動は『たった一人の力でもあきらめずに行動すれば、大きなことを変えられる』という、環境問題に通底していた」と振り返る。推薦を伝えた際には「京都の人にも支えてもらえ心強い」と喜んでいたという。阿部さんは「残念で言葉にならないが、業績を府民が思い起こし、一人一人が何ができるのか考えていきたい」と語った。
 門川大作京都市長は、「表彰式での『経済力や軍事力で何かが解決するという錯覚は捨てるべき』という言葉が鮮明によみがえる」としのび、西脇隆俊京都府知事は「遺志を引き継ぎ、京都議定書誕生の地から、引き続き地球環境問題の解決に向けた取り組みを進めたい」とコメントした。