帝産湖南交通(滋賀県草津市)の路線バス運転手が3日、乗車を望んだ車いすの男性(29)=大阪市=に対し、乗車可能な状況なのに「乗車用リフトの使い方が分からない」と虚偽の説明をして乗車を拒否していたことが17日分かった。男性は後日抗議し、同社は「不適切な対応だった」と謝罪したという。

 乗車拒否があったのは3日午後0時1分JR瀬田駅発龍谷大行きの便。バスはワンステップの低床型で、車体には車いす対応マークがあった。同社や男性によると、同駅前バス乗り場で男性と知人が「車いすだけど乗せてもらえませんか」と声を掛けたが、運転手は「このバスには乗れない」と返答。リフトの使い方が分からないと話し、45分後の車いす対応バスへの乗車を促したという。

 男性側からの指摘で同社が運転手を聴取したところ「出発時間を過ぎ、30~40人がすでに乗車して座れない客もいる状況で、頭が真っ白になり短絡的にうそを言った」と答えたという。実際は乗客に詰めてもらうように要請すれば車いすの乗車は可能だったが、運転手はその処置を取らなかった。運転手がリフト操作の研修を受けたのは7、8年前に1回だけという。

 2016年に施行された障害者差別解消法は、障害を理由にした入店拒否、乗車拒否などを不当な差別として禁止している。男性は「障害者の思いを知らず障害者対応を進めても意味がなく、障害がある当事者の話を聞くなどの研修がもっと必要では」と訴える。

 同社は「差別の意図はなかったが誤解を与える不適切な対応だった」とし、車いすの乗客への対応マニュアルを整備するという。