新設された炎検知器と放水銃。奥は国宝の本殿(野洲市大篠原・大笹原神社)

新設された炎検知器と放水銃。奥は国宝の本殿(野洲市大篠原・大笹原神社)

 本殿が国宝に指定されている滋賀県野洲市大篠原の大笹原神社に自動放水設備が設置された。検知器が炎を感知すると人が操作しなくても放水が始まる仕組み。県内の国宝の神社建築では初導入で、氏子らは「神社を守り継ぐ上で大きな安心」と話している。

 同社本殿は1414(応永21)年に再建された。壁面に施された華やかな彫刻装飾が特徴だが、宮司は常住していない。県文化財保護課によると、県内の神社建築の国宝は、ほかに日吉大社(大津市)の西本殿と東本殿、苗村神社(竜王町)の西本殿など6棟あるが、自動放水設備がある社はない。
 本殿を囲むように、炎検知器5基と放水銃3基を配置した。検知器は前方60メートル先の火気を感知できる。本殿に加え、周囲の六つの小宮などにも放水され、50トンの防火水槽が50分で空になるという。
 昨春に氏子総代と宮司らで開いた役員会で導入を決定。今年4月から施工し、9月に完成した。総工費6100万円。国、県、市の補助を受け、324万円は氏子と地元自治会が負担した。手動の消火栓も新調した。
 これまで消火訓練を氏子総代らで2回、地元消防団も参加し1回行った。氏子総代(73)は「地域の誇りである神社を守るため、訓練を重ねて機器の使い方をマスターしたい」と話している。