地元の野菜を販売するなど工夫する大内さん。コンビニの新しい運営形態を求めて声を上げる(京都市西京区)

地元の野菜を販売するなど工夫する大内さん。コンビニの新しい運営形態を求めて声を上げる(京都市西京区)

午前0時を過ぎ、明かりが消され、閉店作業が進むセブン-イレブン(京都市)

午前0時を過ぎ、明かりが消され、閉店作業が進むセブン-イレブン(京都市)

 コンビニのオーナーたちが、人手不足を背景にした24時間営業の見直しなど、時代に見合った新たな運営形態を求めて声を上げている。「食品工場や配送など他業種にも波及する問題で、決してコンビニ業界だけの話ではない」。参院選では、社会全体で進む「働き方改革」の延長にある問題として、各候補者の訴えに耳を傾ける。

 京都市内のあるセブン―イレブンでは、6月1日から午前0時~同7時までの間、店を閉める実証実験を始めた。「月の売り上げは10万円ほど落ちたが、精神的にも肉体的にもかなり楽になった」。オーナーの男性は、24時間営業を原則とする本部からの重圧を感じつつ、「利益がどうであれ、このまま時短営業を続けるつもり」ときっぱりと話す。

 コンビニの24時間営業の見直しは、今年2月、大阪府東大阪市のセブン―イレブンオーナーが自身の判断で営業時間の短縮を始めたところ、本部から高額な違約金が発生すると告げられたことを公表して社会問題化した。事業主という契約ながら本部の意に沿わないことはできず、24時間365日の営業を強いられ、賞味期限が迫った弁当やおにぎりなどを値下げする「見切り販売」をしにくいなど、弱い立場で苦しむオーナーたちの不満が一気に表面化した。

 西京区でセブン―イレブンを経営する大内泰之さん(65)は着物販売の自営業からコンビニオーナーに転身して19年。値下げ販売するより商品を廃棄したほうが本部がもうかる独特な「コンビニ会計」への疑問や食品ロス問題への関心から、食品の見切り販売を10年前から独自に続けてきた。

 経営は楽ではない。特定地域に集中出店する本部の「ドミナント戦略」で、近隣に同じセブンが相次いでオープンし、売り上げは大きく落ちた。「本当は1店舗当たりの売り上げを伸ばすべきなのに、本部の成長戦略は店舗数を増やすこと。持続可能なシステムにしないと業界はもたない」

 現在、商品の配送は1日3回。弁当などを作る食品工場もフル稼働しているが、「1日2回の配送にするだけでも効率化はかなり進む。関連業種の働き方改革にも大きく貢献するはず」。本部と加盟店の関係などにメスを入れる「フランチャイズ規制法」の制定も求める。

 経済産業省も新たなコンビニの在り方について調査に乗り出し、今回の参院選では、元コンビニオーナーも諸派から比例代表で立候補し、業界の問題点を訴えている。大内さんはこれまでも党に関係なく国会議員や地方議員に現状を説明しており、「参院選でも関心のありそうな候補者を見極めたい」と話す。