本年度から朱雀高で導入された制服(京都市中京区)

本年度から朱雀高で導入された制服(京都市中京区)

 「子どもが受験する時、制服、体操服、修学旅行にいくらかかるかの問題は悩みの種でした」。そんな声が京都新聞社の双方向型報道「読者に応える」に寄せられた。そこで制服について京都新聞社が京都府内の公立高にアンケートをすると、制服は統一感を出したり学校への帰属意識を高めたりする効果がある一方、経済的な負担が大きい課題があることが分かった。一部の高校は先輩の服のリサイクルや入札などを通して家計の負担を抑える努力をしていた。

 「以前より生徒が落ち着いて勉強できるようになりました」。本年度から制服を導入した朱雀高(京都市中京区)の中村和雄副校長は語る。
 同高は前年度まで自由服だった。しかし「自由をはき違えたような服装も目立ち学校に元気がなかった」という。そこでコース制などとともに学校活性化策の一つとして制服導入に踏み切った。中村副校長は「毎年定員割れしていたが、今年は埋まった。これまでの自由な校風も残しながら自分で考え行動する生徒を育成したい」と話す。
 府内では同高の導入で全ての全日制府立高が制服となった。なぜ制服を導入するのか。京都新聞社のアンケートでは、制服の良い点として「統一感がある」「登校で服の選択に迷わない」「服装による個人差がなくてよい」「学校への帰属意識や仲間意識が高まる」などが挙げられた。
 ある府立高は「『制服マジック』として制服を着用すると『かっこよく見える』『かわいく見える』と考える生徒が多数いる。制服を着こなすことで愛校心も育ち、誇りある高校生活を過ごすことができる」とした。
 一方で課題として多く挙げられたのは「高額となり家計の負担が増える」といった価格に関する指摘だった。ほかに「個性、多様性を尊重する雰囲気をつくりにくい」「動きにくい」「教員が生徒に注意する場面が多くなる」などの意見も寄せられた。
 価格について尋ねると、男子の場合、ブレザーとスラックス2着(夏、冬用)、長袖と半袖のシャツ、ネクタイのセットで計5万円前後が多かった。さらにセーターやベストは必要な場合、指定品を購入しなければならない学校が多く、一部では靴やベルト、靴下まで指定されていた。
 シャツやベストまで学校指定品にする理由を、ある府立高は「着た時に一番外側の服になる可能性があり、周囲から見て校章などで統一感を出すため」とした。
 制服の経済的な負担を抑える方法では再利用の取り組みが目立った。「PTAが主体で卒業生の制服をリサイクルする活動を実施している」「卒業生に制服の提供を呼び掛けている。今は急な汚れなどへの貸し出し用だが、将来的にはリユースの仕組みも視野に入れている」などと一部の高校が進めていた。
 制服業者と交渉を進める学校もあり「5社によるプレゼンテーションを実施して業者を選定した」「制服の改定時に機能アップと大幅な値下げを行った」などの例があった。ただ値下げには限界があり「制服購入が厳しい家庭もあるので、行政も何か支援できる策を準備してもらいたい」との要望も聞かれた。
 制服について「3年間使うことを考えれば安上がり」といった考え方もあったが、入学時は体操服や鞄なども必要になる。意見を寄せた保護者は「この時期に必要な額を用意するのはしんどかった」と漏らした。制服は私服と比べて選択肢がないだけに、少しでも保護者目線で家計の負担を軽減する努力が各校に求められる。

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