人気グループ「SMAP」の元メンバー3人を、民放テレビに出演させない圧力があったのか。

 公正取引委員会は、独禁法違反につながる恐れがあるとして、ジャニーズ事務所を注意した。

 同事務所は圧力を否定した上で、「今後は誤解を受けないよう留意したい」とコメントしている。

 元SMAPの3人に限らず、芸能界では大手の所属事務所から独立すると、数年間はテレビに出られないことがしばしばある。

 視聴者やファンの気持ちよりも、目に見えない芸能界の慣行がまかり通っているように見える。

 公取委の注意は、違反行為の証拠が得られないものの、違反の未然防止のために取られる措置だ。

 ジャニーズ事務所だけでなく、他の芸能事務所も所属タレント、芸能人との関係や契約を再点検し、透明性のあるものにしてもらいたい。ファンをがっかりさせないことを第一に考えてほしい。

 2016年末にSMAPが解散、翌年9月に稲垣吾郎さん、草彅剛さん、香取慎吾さんは事務所から独立したが、その後、主な出演番組が相次いで終了した。

 民放テレビ局が、事務所の影響力の大きさから忖度(そんたく)したのではないか、との見方も出ている。両者の関係のあり方も問われよう。

 公取委の有識者会議は昨年3月、個人で働く「フリーランス」の人たちの弱い立場に目を向けた報告書を公表している。その中で芸能界やスポーツ界の慣行に踏み込み、一部の契約のあり方が独禁法違反の疑いがあると指摘した。

 これを受けて、スポーツ界では選手の移籍制限をなくすようになった。日本ラグビー協会は、トップリーグの選手が移籍しても公式戦に出場できるよう規約改正している。改善された一例だ。

 一方、芸能界ではタレントの育成や売り込みなどの投資と労力、それでも売れないリスクから、投資回収を損なう移籍に強い拒否感があるようだ。

 「優越的地位の乱用」は独禁法で禁じられている。多くの芸能事務所が採用する「統一契約書」には、タレント側が望まないのに、事務所の意向で契約を1回に限って更新できる条項があるが、修正が検討されているという。

 芸能人の立場が守られることと、事務所の経営が両立する契約や仕組みが求められる。時代や社会の変化に芸能界も無関係ではないはずだ。芸能人が慣行に縛られず、のびのび活躍してくれることを多くのファンは望んでいる。