堤防(右端)から徐々に高さが下がる霞堤。増水時はこの部分から遊水地に水を流す=京都府亀岡市篠町、府南丹土木事務所提供

堤防(右端)から徐々に高さが下がる霞堤。増水時はこの部分から遊水地に水を流す=京都府亀岡市篠町、府南丹土木事務所提供

 京都府の西脇隆俊知事は、このほど行われた府議会代表質問の答弁で、桂川の治水対策を巡り亀岡市で課題となっている「霞(かすみ)堤」のかさ上げについて、国が下流の嵐山地区に整備する可動式止水壁と同時期に完成させる方針を明らかにした。止水壁は今月下旬に着工するが、観光地で工事時期が3カ月程度しか確保できず、完成時期は未定で、府は国に対し早期整備を求めていく。

 府が管理する霞堤は、周囲の堤防より高さを低く抑え、増水時に遊水地に水を流す仕組み。このため、霞堤周辺の住民はたびたび浸水被害に遭っており、府は今年、11カ所の霞堤のうち4カ所のかさ上げを決めた。
 かさ上げした場合、増水時に備えて嵐山でも治水対策が不可欠となる。国内有数の観光地の嵐山では、治水対策と景観保全の両立が課題だった。管理する近畿地方整備局は昨年、増水時にのみ堤防内から止水壁が垂直にせり上がる全国初の可動式止水壁の導入を決定。早ければ来年3月までの完成を目指していた。
 工事は、渡月橋上流の左岸約250メートルに、80センチの止水壁が出てくる高さ70センチのコンクリート製堤防を新設する内容。観光客が集中する場所の上、川沿いに宿泊施設もあるため、工期は観光客が比較的少ない12月末から翌年3月上旬までに制限される。全国初の設備で強度の確認も必要となり「来年3月までの完成は難しい」(同局淀川河川事務所)というのが現状だ。
 府議会で霞堤整備について問われた西脇知事は「4カ所の霞堤のかさ上げを来年度に発注し、嵐山地区左岸の工事と時期を合わせて施工する。残りの霞堤も順次着手するため設計を進めている」と述べた。