参院選は、野党共闘のあり方にも課題を突きつけた。

 32の改選「1人区」では滋賀など10選挙区で勝利したが、全体としては自民・公明両党の与党が改選過半数を確保し、「安倍1強」を突き崩すことはできなかった。

 年金や消費税といった生活に関わる政策課題が注目されながら、投票率も振るわなかった。

 有権者の関心をかき立てることができなかったのは、野党が与党に代わりうる受け皿として存在感を示せなかったためではないか。

 このままでは、巨大与党を脅かし、国会に緊張感をもたらす役割を果たすことも難しい。

 単なる政権批判にとどまらず、国のあり方や暮らしの将来像について明確なビジョンを示し、有権者が希望を託せる野党像を打ち出さなくてはならない。

 参院選に向けては当初、立憲民主党と国民民主党がそれぞれ独自候補を擁立するなどしたため、全1人区での一本化決定は6月上旬にまでずれ込んだ。その後の互いの選挙支援も、「推薦」より関与度の低い「支持」にとどめるなど十分な体制だったとは言い難い。

 有権者の心に響く政策の旗を打ち立てることもできなかった。

 年金問題では、立民が最低保障機能強化、社民党が最低保障年金創設に言及した。国民と共産党は低所得・低年金者への一定額給付を主張、共産と社民はマクロ経済スライドの廃止・中止を訴えた。

 年金受給額が低い人たちなどへの対応では一致しながら、各党の主張は統一感に欠けた。有権者はどの党の主張なら安心できるのか分かりにくかったに違いない。

 政党が異なるため簡単にいかないのは分かるが、野党共闘は、選挙運動だけの協力では済むまい。

 国民に関心のあるテーマについて共通の政策を練り上げ、有権者にしっかりとした選択肢を示すことが必要だ。

 参院選では政治団体「れいわ新選組」が初挑戦で比例2議席を獲得した。連帯を通じて権力構造を変えると訴え、難病患者と障害者を擁立するなど、従来の政党では考えもつかないような戦略が有権者の目を引いたといえる。訴えの是非とは別に、こうした現実を既存の野党も軽視してはなるまい。

 「安倍1強」長期化の要因の一端は、対抗勢力になれない野党にもある。次期衆院選に向けて、骨太の対立軸を打ち出すべきだ。

 場合によっては野党再編も念頭に、共闘のあり方を深化させていく必要がある。