画像右は、今回明らかになった網目のような秩序立った構造を持つコラーゲン線維(薄い色)と弾性線維(濃い色)のイメージ図。画像左は従来の、フェルトのように絡み合う両線維のイメージ図=齊藤講師提供

画像右は、今回明らかになった網目のような秩序立った構造を持つコラーゲン線維(薄い色)と弾性線維(濃い色)のイメージ図。画像左は従来の、フェルトのように絡み合う両線維のイメージ図=齊藤講師提供

 皮膚がしなやかに伸縮するメカニズムの一端を解明したと、京都大などのグループが発表した。二つの線維が秩序だった編み目のような構造をつくっているためといい、けがなどで損傷した皮膚の再生医療にも生かせる知見という。成果は23日、国際科学誌「サイエンティフィック・リポーツ」に掲載された。

 皮膚の表面以外の大部分はコラーゲン線維や弾力性のある弾性線維でできている。ただ、コラーゲン線維は波状にうねって密集しているため、1本1本の方向を特定することは難しく、これまで両線維はフェルト(不織布)のように無秩序に絡み合っていると考えられてきた。

 京大医学研究科の齊藤晋講師や京大医学部付属病院の上田真帆医師らは、刺しゅう枠のような器具でヒトの皮膚を引き伸ばしてコラーゲン線維のたるみを除き、特殊な顕微鏡で観察。すると、コラーゲン線維は網目状に並んでいることが分かった。また弾性線維がコラーゲン線維とほぼ同じ方向に走っていることも確認できた。こうした構造から、皮膚は柔軟性があると考えられるという。

 齊藤講師は「皮膚の線維にも秩序がある。この秩序を再現できれば、未来の皮膚再生医療に役立てられるのではないか」としている。