2020年東京五輪の開幕まで1年となった。

 五輪・パラリンピックのメインスタジアムとなる新国立競技場は11月末の完成に向けて9割ほど建設工事が進み、他の競技会場や選手村の整備も順調という。

 1年前に合わせ、表彰メダルのデザインや、ボランティアら大会スタッフ11万人以上が着るユニフォームも発表された。

 これから各競技のテスト大会も本格化し、さらに機運が高まっていくだろう。

 本番に向けて大会運営の課題の洗い出しと対応策、スタッフの習熟を進め、さまざまな事態を想定して十分に備えたい。

 東京五輪には史上最多の33競技に選手1万人超が参加し、来場者は延べ1千万人超が見込まれる。

 世界有数の過密都市に競技会場が分散してあり、最も懸念されるのが交通混雑だ。

 選手・関係者らのスムーズな輸送には都心への交通流入を減らす必要がある。大会組織委員会と東京都は基幹ルートの首都高速道路などで交通規制テストを始めた。

 初日の24日は通勤時間帯を中心に、接続する高速道や周辺の一般道に渋滞がみられた。料金を時間帯で変える「ロードプライシング」の導入など、効果的な規制手法を探りつつ、市民生活への影響にも配慮を求めたい。

 集中時間帯を避ける時差出勤や、自宅などで働く「テレワーク」も有効とされ、今夏の試行に3千以上の企業・団体が参加見込みという。一斉休業や長めの夏休み設定を含め、「働き方改革」とも併せて五輪を契機に継続的な取り組みとして広げたい。

 五輪期間(7月24日~8月9日)は厳しい暑さが予想され、選手や観客らを熱中症などから守る対策も大きな課題だ。

 会場や周辺に扇風機や噴霧機を設け、マラソンコースなどに路面温度を抑える舗装を施すほか、観客がペットボトル飲料や日傘を持ち込むのも認める方向という。

 暑さに不慣れな外国人客も多く訪れると見込まれる。きめ細かく情報を提供し、安心して楽しめるよう柔軟な対応が必要だろう。

 「復興五輪」を掲げた大会である。来年3月に福島県を出発する聖火リレーは走者約1万人で列島をつなぎ、全国からのボランティアや観客も成功の支え手だ。

 世界中からの来訪者を、東京近辺だけでなく国内各地に迎え、交流できるよう受け入れ態勢や情報発信方法も点検し、工夫したい。