二酸化炭素(CO2)を大量に排出するとして航空機の利用を拒んでいるグレタ・トゥンベリさん(16)が今回もヨットでやってきた。国連の気候変動に関する会合が開かれているスペインで若者らのデモに参加した▼航空機の環境負荷は小さくない。国土交通省の試算では、1人の乗客が1キロ移動する際のCO2排出量は鉄道の5倍になるという。欧州では「飛ぶのは恥」という言葉も流行したそうだ▼KLMオランダ航空は、近距離の国際線の一部を減便した。「代わりに電車で移動を」と宣伝ビデオで呼びかけ、直接顔を合わせる会議が常に必要かとの疑問を示して航空機利用の抑制を促した▼環境に配慮する姿勢をみせなければ利用客の支持を得られない、との判断なのだろう。国際民間航空機関(ICAO)は来年からの温室効果ガス削減計画を決めている。航空各社ではバイオ燃料導入や、電動化への技術開発が進む▼航空旅客数は今後、アジアを中心に伸び、2037年には年間82億人に倍増するとの予測がある。需要をふまえつつCO2排出を抑え込むのは簡単ではない▼南北に長く、海に囲まれた日本で、航空機は重要な移動手段だ。それだけに1回の搭乗でどれぐらいのCO2が出るのか、年末に空路での帰省や旅行をするなら、ぜひ考えておきたい。