東京電力が福島第2原発(福島県楢葉、富岡両町)の全4基の廃炉をようやく正式に決めた。

 小早川智明社長がおととい、内堀雅雄知事と面会して廃炉を表明、併せて同原発の使用済み核燃料の貯蔵施設を敷地内に新設する方針を伝えた。

 未曽有の事故を起こした福島第1原発の6基と合わせ、県内の10基が廃炉になる。地元が強く求めてきた「県内原発の全基廃炉」実現へ動きだすが、廃炉作業の進め方や核燃料の長期保管などに懸念が残る。国や東電は被災地復興に向けた地元の将来不安の払拭(ふっしょく)に努めねばならない。

 第2原発は、東日本大震災に伴う津波被害で8年4カ月余り停止したままだ。過酷事故に至らなかったものの、炉心溶融を起こした第1原発と紙一重の状況だった。再稼働に向けた地元の同意が得られる見通しはなく、事実上廃炉以外の選択肢はなかった。

 東電は再稼働への期待から廃炉判断を先送りし、昨年6月に廃炉方針表明後も正式決定まで約1年を要した。決断は遅きに失した。

 東電によると、使用済み核燃料搬出から原子炉や建屋の解体まで1基当たり30年程度、4基全ての廃炉には40年超を見込む。燃料デブリ取り出しなど難度の高い作業が必要な第1原発の廃炉とは状況が異なるが、見通せない部分が多く工程には不確定要素も多い。

 加えて、第1原発の廃炉と並行して作業を進めざるを得ない。いまも経営再建中である東電は、資金や要員面で余力が乏しい。同時に10基もの廃炉作業を単独で進められるのか。国や県の適切な指導や支援に加え、他の大手電力会社の協力が欠かせない。

 新貯蔵施設との「抱き合わせ」は、廃炉に伴い原発関連の交付金が減少する立地自治体の財源や、雇用の場を求める地元に配慮した面もあろう。だが、地元へ新たな課題を突き付けたともいえる。

 東電は廃炉作業終了後に約1万体の使用済み核燃料を県外へ全量搬出する方針を打ち出す一方、最終的な搬出先は「検討中」とした。これでは保管の長期化につながりかねない。貯蔵施設を永続させないという保証がない限り、住民の不安は解消できまい。

 楢葉、富岡両町は、第1原発事故でほぼ全域に避難指示が出された。大部分で解除されたとはいえ原発への不安や雇用問題を訴える声は根強く、いまだ復興の途上にある。安全で速やかな廃炉は福島の復興に不可欠である。国や東電の責任は極めて重い。