「危険がつきものだが、地域の安全を守るために職務を全うしたい」「住民から喜ばれ、感謝される仕事を続けたい」。先月、京都新聞の「警察功労賞」に選ばれた京都府警のみなさんの声だ▼痴漢対策、非行少年の更生、心に寄り添った捜査…警察官の使命を胸に刻んで歩んできた誇りが、紙面でみる穏やかな表情からうかがえて、こちらもうれしくなる▼ところが、喜びに冷水を浴びせる不祥事、またもやである。いずれも50代の男性警部補が、和歌山で万引、大阪で信号無視の疑いで逮捕された。今年になって計6人。府警にとって記録が残る1998年以降で最悪の事態だ▼明治初期に日本警察を創設した川路利良大警視の語録「警察手眼」に警察官の心得が書かれている。一部を現代語にすると「人を警(いまし)める者は、まず己に警めがあって人に及ぼすべし」とある▼厳しい職業倫理が求められるのは、職務執行に国民の信頼が欠かせないからだ。ただ、いくら心得を説いても不祥事が絶えないのは、どうしたわけか▼勤務外の生活にも細かな服務規定が及ぶと聞くと気の毒にはなる。管理の強化だけでなく、もっと現場の声を聞いてはどうか。かつて出会った刑事が未解決事件の被害者の写真をいつまでも持ち歩いていた。信頼は職務で取り戻すしかない。