大橋悠依

大橋悠依

 28日夜に韓国・光州であった水泳世界選手権女子400メートル個人メドレーで滋賀県彦根市出身の大橋悠依(23)=イトマン東進、草津東高―東洋大出=が銅メダルを獲得した。今季は思うようにタイムを伸ばせず、200メートル個人メドレーはメダルを期待されながら、まさかの失格に。逆境をはね返してメダルをつかみ、来年夏の東京五輪へ弾みをつけた。挑戦の道のりには、いつも家族が寄り添っていた。

 三姉妹の末っ子である大橋がトップスイマーとして頭角を現したのは、東洋大時代だ。高校時代の倍になったというハードな練習量をこなしながら、入学後は不振に苦しんだ。原因は「極度の貧血」。投薬に加えて、立ち直るきっかけになったのが母加奈枝さんの手料理だった。

 ひじきや切り干し大根など鉄分を豊富に含む料理をつくり、東京へ送り続けた。「お母さんの料理はすごくおいしい」という大橋は、しっかり食べ続けることで体質を改善。親子の努力は少しずつ実を結び、4年のときにメドレー2種目の日本新記録を更新。卒業後も支援は変わらず、東京の大橋選手の自宅を訪ねては手料理を作り置きして娘の挑戦を見守った。

 今大会に日本チームの女子主将として臨んだ大橋。大会前に家族は、太郎坊宮(東近江市)や大野神社(栗東市)へ必勝祈願に出かけた。失格に終わった22日の200メートルのレース後、父親の忍さん(60)は「何とか盛り返してほしい」と祈り続けてきた。

 前回は200メートルで銀メダルを獲得したが、専門種目である400メートルは4位に終わった。五輪前年の世界選手権でメダルを得た意味は大きく、忍さんは「200メートルからよく立て直してくれた。前回の銀より価値がある。来年の東京五輪で自己ベストを更新してほしい」と期待を込めた。