文化財の保存と活用について意見を交わしたパネルディスカッション(京都市中京区・京都新聞文化ホール)

文化財の保存と活用について意見を交わしたパネルディスカッション(京都市中京区・京都新聞文化ホール)

 仁和寺(京都市右京区)の重要文化財・観音堂での取り組みから、文化財の保存と活用のあり方について考える講演会が28日、中京区の京都新聞文化ホールで開かれた。

 2012年から行われていた観音堂の修復工事完了を記念したシリーズ企画で、2回目の今回は約270人が聞き入った。

 井出亜里京都大名誉教授は、観音堂内部に描かれた障壁画などを、高精細のスキャナーでデジタル画像として保存したプロジェクトについて報告。屏風(びょうぶ)として印刷したりウェブ上で公開したりするなど、データ化することで非公開の文化財を広く見られるようにした例を紹介した。

 また府教育委員会の吉田理専門幹が、工事の概要と経過を多数の記録写真を交えて説明。同寺の吉田正裕執行長も交えたパネルディスカッションでは、「文化財を脅かす敵は戦争や貧困、災害のほかに『無知』がある」「保護するためにはその技術を伝えていくことも大切」などの意見が出た。