幕末に撮影されたとみられる武士の写真。裏に「田辺藩士 高取貞明肖像」と書かれてある=日置道代さん提供

幕末に撮影されたとみられる武士の写真。裏に「田辺藩士 高取貞明肖像」と書かれてある=日置道代さん提供

 京都府亀岡市の女性が、江戸末期に田辺藩(現舞鶴市)に仕えた高取貞明という武士の子孫を探している。幕末に撮影されたとみられる高取の写真が自宅から見つかったためで、「貴重な写真を、ご家族の元にお返したい」と、連絡を待っている。

 日置道代さん(67)。日置家は、同町毘沙門付近を知行地にしていた旗本津田氏の在地代官を務め、道代さんは、江戸時代に建てられた武家屋敷で料理店「へき亭」を営む。屋敷内には古い史料が大量に残され、約15年前、写真を発見した。高取の名に聞き覚えはなく、連絡先が分からなかった。
 写真は縦約15センチ、横約10センチの紙製で、ちょんまげで帯刀する姿が写されている。裏側には長州征伐時、大坂で陣を構えた際、22歳で撮影した、との説明がある。また、原版はガラス板だったようで、明治34(1901)年に貞明の跡継ぎが東京の写真師に依頼して紙に複写させたもの、と付記され、「日置貞示の兄 高取貞明肖像」と書かれてある。
 貞示は、道代さんの先祖に当たり、屋敷には、田辺藩から日置家へ嫁いだ女性の花嫁衣装も残る。写真は姻戚関係にあった高取家から贈られた可能性もある、という。
 舞鶴市郷土資料館によると、高取家は田辺藩士の一族。同藩は長州征伐に参加しており、「藩士が大阪で写真を撮ってもおかしくない」という。
 道代さんは「幕末の人物写真が、複写でも残っているのは珍しいと思う。子孫がお持ちになった方が、高取氏も喜ばれるのではないか」と話している。連絡先はへき亭0771(23)0889。