予想されたこととはいえ、やはりがっかりした。小泉進次郎環境相の演説である。

 スペインで開催中の国連気候変動枠組み条約第25回締約国会議(COP25)で、国際的に批判されている石炭火力発電について何らの具体的対策を打ち出さず、「脱炭素」に消極的な日本の姿勢があらわになったからだ。

 国連のグテレス事務総長が開幕にあたり、石炭火力発電の新設禁止を訴えていた。小泉氏は「日本に向けたメッセージと受け止めている」としながら、「私を含めて今以上の行動が必要だと考える人が日本で増えている」と述べた。

 どこか人ごとに聞こえる。温暖化対策を担う当事者であることを忘れては困る。小泉氏は「脱炭素社会の実現は喫緊の課題」と意欲を示していたが、具体策の裏打ちがなければ言葉は空疎に響く。

 石炭火力発電は経済産業省の所管であり、国のエネルギー基本計画で主力電源の一つに位置づけられている。小泉氏の演説には初めから限界があったろう。

 小泉氏の意欲に期待するとしたら、国の政策を脱炭素に転換させるために、閣僚としての政治力を発揮することだ。

 東京電力福島第1原発事故後、電力各社や製鉄企業などが石炭火力発電の建設に動いている。こうした中で、昨年、当時の環境相は建設計画の環境影響評価(アセスメント)で、二酸化炭素の排出削減策がなければ建設は容認できないとの意見書を出している。

 建設認可は経産相の権限だが、小泉氏も環境相として、厳格に環境アセスを実施してもらいたい。

 発展途上国での石炭火力発電建設に日本が資金援助を続けることにも海外の批判が大きい。9月の国連気候行動サミットで、安倍晋三首相の演説が断られた理由と言われている。

 小泉氏の演説では、2030年の温室効果ガス削減目標の引き上げや、途上国の温暖化対策資金の支援増額に言及がなく、失望の声が聞かれた。これでは国内の排出を5年連続で削減したと強調しても、評価されまい。

 環境相に就任して初めてのCOP演説で、日本に対する世界の厳しい目を感じたのではないか。米国はパリ協定離脱を通告したが、一方で温室効果ガスを50年までに実質ゼロにする戦略に取り組むと表明する国が増えている。

 日本の遅れを小泉氏はきちんと受け止め、政権に持ち帰ってほしい。言葉より行動に注目する。