経営を巡る問題が相次ぐセブン―イレブン・ジャパンで、またも不祥事が発覚した。

 フランチャイズ加盟店の従業員に長期間、残業代の一部が支払われていなかったという。

 データの残る2012年3月以降の判明分だけでも総額は遅延損害金を含め4億9千万円。対象は3万人を超え、最大で1人280万円に上る。

 加盟店のアルバイトやパート従業員の人件費はオーナーが負担するが、給与計算や振り込みは本部が代行している。

 賃金計算プログラムのミスが未払いの原因というが、あきれるのは労務管理のずさんさだ。

 未払いは既に2001年に労働基準監督署から指摘されていたにもかかわらず、公表も追加の支払いもしなかった。

 その後に変更した残業手当の計算式も誤り、今年9月に加盟店が労基署から是正勧告を受けて未払いの継続が発覚したという。

 未払いは創業間もない1970年代から続いており、2012年2月以前の対象者や不足額は、データがないため不明という。

 それらも含めると、未払い総額は「数十億円規模」になると指摘する関係者もいる。

 残業代は従業員の正当な労働の対価である。未払いのまま長年放置されてきたのはなぜか。セブンは経緯を徹底検証し、対象者をくまなく救済するべきだ。

 既に退職している対象者については、給与明細を保存していなくても通帳に振り込まれた記載があれば支払うなど、柔軟な対応が欠かせないだろう。

 セブンは今年、24時間営業を巡る加盟店との対立で、オーナーに過酷な勤務を強いている実態が明らかになり、批判を浴びた。

 7月に始めたスマートフォン決済サービス「7pay」は、不正利用事件でセキュリティーの不備が露呈し、信用を失って早々と廃止に追い込まれた。

 本部社員が店舗のオーナーに無断でおでんなどの商品を発注する内規違反が横行していることも判明している。

 セブンが長年リードしてきたコンビニは、日本に新しい消費文化を根付かせるとともに災害時の重要なインフラともなってきた。

 だが、利益追求に走るあまり、加盟店やそこで働く従業員を軽んじてきたとすれば罪が重い。

 抜本的な出直しなしに信頼が取り戻せないことを経営陣は深く自覚してもらいたい。